「連結器を全部取り替えろ!」日本の鉄道車両6万両の一斉交換なぜ行われた? 旧式を使い続ける欧州との違い

大正時代、日本で鉄道車両を繋ぐ連結器の一斉交換を行ったことがあります。国はどのような理由から、このような一大プロジェクトを行ったのでしょうか。一方、欧州では日本から消えた「ねじ式連結器」が現役です。

なぜ欧州ではねじ式連結器が現役?その背景にある深い事情

 明治時代の様子を再現したものを除き、日本の鉄道では姿を消したねじ式連結器ですが、イギリスをはじめヨーロッパの国々では、機関車が牽引する国際列車や貨物列車を中心に、いまでも現役です。デメリットも多いのに、19世紀以来なぜ100年以上経っても使われ続けているのでしょうか。

 これには国同士の線路がつながっており、相互に列車が行き来できるヨーロッパ特有の事情があります。乗客が乗る客車や貨物列車の貨車はそのまま乗り入れることができますが、牽引する機関車は原則としてその国のものが使われます。

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イギリスの貨物列車(画像:Network Rail)。

 機関車を次々と交換していくわけですが、当然ながら連結器の規格が一致していなければなりません。連結器を交換するにはヨーロッパ各国が足並みをそろえる必要があり、予算的な問題で交換に踏み切れない国があるうちは、旧来のねじ式連結器を使い続けるしかないのです。

 すでにイギリスやフランス、ドイツなど西ヨーロッパ諸国では、国内のみを走る列車は自動連結器や密着連結器を装備しています。ところが東ヨーロッパの一部では、ねじ式連結器がいまだに主流です。

 外国と線路が接続されていない島国の日本では連結器の一斉交換が可能でしたが、ヨーロッパでは調整に時間がかかるため、いまだ実現できないというわけです。こういった理由から、まだ当分の間、ねじ式連結器は国をまたいで運行される列車で使われ続けることになるでしょう。

【了】

【日本じゃ絶滅危惧種】なるほどね! これが「ねじ式連結器」の作業風景です(写真)

Writer:

ゲーム誌の編集を経て独立。航空宇宙、鉄道、ミリタリーを中心としつつ、近代建築、民俗学(宮崎民俗学会員)、アニメの分野でも活動する。2019年にシリーズが終了したレッドブル・エアレースでは公式ガイドブックを担当し、競技面をはじめ機体構造の考察など、造詣の深さにおいては日本屈指。

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