高速道路「安くして!」「絶対やめて!」それぞれの主張 新たな割引が「確実に致命傷」になるのは
高速道路料金を少しでも安くしてほしいと訴える業界もあれば、これ以上の割引を望まない業界もあり、それぞれの主張が交錯しています。値下げを控えてほしい背景には、過去の苦い経験があります。
高速料金の割引に“警戒”
国土交通省は2023年11月10日、道路政策を話し合う有識者審議会「第60回国土幹線道路部会」を開催。高速道路の料金施策などが議論され、様々な業界団体からのヒアリング結果も披露されました。
高速道路の料金施策をめぐっては、物流や渋滞などの課題に対応する観点から、深夜割引、休日割引、平日朝夕割引などといった割引施策の見直しが行われています。これに並行して、事業者の違いや路線ごとの建設経緯に起因する料金差についても課題が指摘されており、2022年4月には首都高の上限料金が普通車で1320円から1950円にアップしたばかりです。
そして今回、議題になったのが阪神高速と本四高速です。
阪神高速もまた2017年に上限料金が普通車1320円の対距離制へと移行しました。しかし、それ以降、首都高のような上限引き上げは行われていません。NEXCOと比べて割安になるため、大阪の都心部を抜けていくルートの方が料金が安く、都心部の渋滞の要因とされています。
首都高では上限引き上げの際に深夜割引と大口・多頻度割引の新設が行われましたが、関西経済連合会や、大阪・兵庫のトラック・運送業界団体からは、阪神高速も料金改定時には首都高と同様の割引施策の導入が必要としています。
もうひとつが本州と四国を結ぶ3路線を運営する本四高速です。同社の一部区間は、「海峡部等特別区間」として、かなり割高な料金設定でしたが、2014(平成26)年4月、ETC車については大幅な引き下げが実施され、さらにNEXCO同様の平日朝夕割引、休日割引、マイレージ割引などが創設されました。
神戸淡路鳴門道の場合、神戸西~鳴門間の全線を走行すると、もとの料金体系が適用されている現金車と比べてETC普通車は2000円以上安くなっています。
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