環七~赤羽の「鉄道三角州」地帯が一変か 道路整備で“崖をがっつり削ります”案 将来どんな姿に?
東京の台地の北端で大工事に?
赤羽「清水坂地区」一変か?
東京都都市整備局は2023年11月、都市計画道路「補助83号線(十条III期)」について行った住民説明会資料を公表しました。
この事業は、北区のJR京浜東北線西側の台地上を通って王子と赤羽をつなぐ南北道路を拡幅・整備するものです。このうち十条III期は環七通りから北へ、京浜東北線と埼京線に挟まれた台地エリアから埼京線の高架下まで下りていく区間。地元では「清水坂」と呼ばれています。
補助83号線は十条台や東十条駅西口付近も拡幅が進むなか、この清水坂地区だけが事業化されていない状況です。
今回は、「高低差処理に係る説明会」と銘打って行われました。この区間の課題は、台地の終端部で道路西側の宅地と高低差があり、そこへ住宅が密集しているため、拡幅するには、単に住宅を立ち退かせて崖を削るだけでは済まないということです。崖を削ることで、道路範囲外からのアクセスも寸断されてしまうため、沿道を含めた一体的な整備方法の3パターンが説明されていました。
一つは、道路の範囲に大規模な土留め擁壁を整備し、現道へ出る生活道路を寸断してしまう案。もうひとつは、生活道路を都市計画道路へ擦り付ける案です。ただこれも、沿道の宅地地盤面と生活道路に高低差が生じ、生活道路へのアクセスが難しくなる課題があります。
もうひとつは、土地区画整理事業を一体的に行い、沿道も含めて崖を削り、一体的に宅地造成して生活道路を擦り付けさせるというもの。周辺は老朽化した建物が多いなどの課題もあり、これにより地域全体の防災性も向上し、生活道路についてもこれまで通りの機能を維持できるとしています
都はこの案をベースに、意向調査などを進め、2024年度には整備手法を決定したい考えです。
この補助83号線ができると、京浜東北線の東側で赤羽~王子を結ぶ北本通り(国道122号、東京メトロ南北線ルート)のバイパスとなり、都心に通じる明治通り・本郷通りから環七、環八を連絡する新たなルートが形成されます。
【了】
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