「酔ってりゃ何してもいいマン」増加… 鉄道員への暴力 コロナ禍前に迫る水準に
飲酒しているケースが半数以上。
ポスター『酔った勢い、STOP!』を掲出
一般社団法人「日本民営鉄道協会」は2023年11月末、大手民鉄16社における2023年度上期の「鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況」を公表。同協会によると発生件数は71件で、前年同期と比べ1件の減少となりました。ただし去年度に続き60件を超え、緊急事態宣言が発出された2020年度を底に、再び新型コロナウイルス流行以前に迫る水準となっています。
暴力行為が発生する状況として、「酩酊している旅客を介助しようと近づいた時」や「突然暴力を振るわれるケース」が多く、22時以降の深夜帯に集中しているといいます。加害者の年齢層は幅広く、飲酒しているケースは半数以上だそう。
場所別ではホームが52%と約半数を占め、次いで改札(30%)、その他(10%)、車内(8%)の順です。曜日別では火・水曜日を底に、週末になるにつれ増える傾向です。
暴力を振るわれるケースについて、協会は具体的な事例も公表しています。主な事象は以下の通りです。
・ベンチで熟睡する旅客に声をかけたが反応がないため、肩に触れたところ突然立ち上がり、首を掴まれるなどの暴力行為を受け転倒した(年齢不詳:深夜帯)。
・列車内の座席に横たわる旅客を認め、声をかけるも返答がないため、男性を抱えながらエレベーターにてホーム階から改札階まで誘導したが、突然、右胸を蹴られた(20代:深夜帯)。
・女性へ対し暴力行為に及んだ男性を認めたため注意し、事情を確認しようとしたところ逃走。追いかけ再び事情を確認しようとしたところ、強い力で振り払われ転倒した(30代:朝)。
・ホームに居座ろうとした旅客を改札口へ向かうよう促していた際に突然走り出し、ホームで泥酔者対応を行っていた別の係員の左足甲部を背後から踏みつけた。さらに最初に対応した係員へも、所持していた傘で背後から臀部を突いた(50代:深夜)。
2023年12月4日(月)からは、全国各地の鉄道会社において、暴力行為防止ポスターが掲出されます。
【了】
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