JR函館本線は「貨物専用の第三セクター鉄道」へ!?「完全廃止&貨物新幹線で対応」の可能性も!? 函館~長万部の今後へ初会議

「貨物は重要!」でも「鉄道貨物輸送」にもいろいろ課題が

 そのうえで、本会議の確認事項では「函館~長万部の今後を話し合う渡島ブロックの協議状況を見ても、旅客輸送は鉄道によらない交通も想定しておく必要がある」と、旅客廃止を示唆。

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JR函館本線を走る貨物列車(画像:写真AC)。

 いっぽうで、貨物輸送は、国が今後強化していこうとしているホットな存在。人手不足や環境問題への対策として「トラックから貨物列車へ」のモーダルシフトをどう進めていくか、活発な取り組みが進められています。国にとって、ないがしろにすることはできず、「我が国の基幹的鉄道ネットワークの一部を構成する路線」と断言しています。

 つまり、新幹線開業後の「JR函館本線 札幌~長万部」は、「貨物列車が走るだけの、しかも第三セクター会社による鉄道」になる可能性が高くなっています。

 ここで課題として、「貨物専用の第三セクター」が設立された事例がないこと。さらに当然の懸念点として「誰がどうやってその路線を維持していくか、お金は?人手は?」というのも大きいです。

 そこでもうひとつの方策として「函館~長万部は完全に廃止して、貨物輸送は新幹線と船で担えばいい」という可能性も挙げられています。ただ、そちらはまだ課題が多く、「貨物新幹線は実現段階に遠い」「北海道と本州の鉄道が完全に分断されてしまう。それは災害や有事への対応に影響があるかもしれない」など多数挙げられています。

 今はまだ「できうる方策をあげて、メリット・デメリット、その将来変化の可能性を吟味していく」という段階。しかし前提として、先述のとおり「函館~長万部」が「JR函館本線」でなくなることになります。

 皆が自由に旅し移動できる「旅客路線」として存続するのかどうか。これは渡島ブロックの地元協議の結論待ちです。「2025年度中」に結論を出せるべく動いているとしています。

 それと並行して、先述のとおり「貨物第三セクターの設立・運営は可能か?」「廃止して貨物新幹線に一本化したほうがいいのでは?」の2択が焦点として浮かび上がってきており、ひとつに決めるためのより具体的な検討が、この「有識者検討会議」の2回目以降で進められていきます。

【了】

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