大損害は“使い方を間違えたから?” ウクライナ軍「装輪戦車」再供与を熱望のワケ 自衛隊も他人事じゃない!

フランスがウクライナに供与したAMX-10RC戦車駆逐車が、いま再び供与の要望が出ているそう。でも、当初ウクライナ軍は同車の使い方を間違えて多大な損害を出しました。なぜ再びウクライナ軍は欲しがっているのでしょうか。

陸自にもAMX-10RC類似の戦闘車両あり

 前出の実戦で得た貴重な経験に基づき、新たに供給される40両のAMX-10RCは、その性能に基づいた相応しい運用がなされると思われます。たとえば戦車のように歩兵を先導するのではなく、敵戦車出現の報に合わせてフットワークを活かした機動防御を行ったり、進攻する歩兵に後続して随時出現する敵戦車やAFV、堅固な防御陣地を攻撃したりする運用です。

 なお、このウクライナでのAMX-10RCの使い方で得られた教訓は、決して他人事ではありません。日本、すなわち自衛隊も現在、戦車の数を減らして、代わりに16式機動戦闘車という「装輪戦車」の数を増やそうとしています。

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砲塔を後ろに向けて射撃する陸上自衛隊の16式機動戦闘車(画像:陸上自衛隊)。

 ただ、16式機動戦闘車はAMX-10RCと同様、装甲は一般的な装甲車と同レベルで、戦車ほどの耐弾性はありません。やはり、AMX-10RCと同じく、その快速性と高い命中精度を活かして「ヒットエンドラン」戦法で戦わないと、すぐにやられてしまうでしょう。

 また足回りもタイヤのため、戦車よりも高速性に優れる一方、悪路走破性はそこまで高くなく、泥濘や深雪では簡単にスタックしてしまいます。

 そのため、ウクライナ海兵隊によるAMX-10RCの戦訓は、陸上自衛隊にとっても大いに参考となるはずです。ウクライナ紛争を対岸の火事と捉えず、どう使えば最も効果的に性能を発揮できるのか、東欧で繰り広げられる戦闘をひもとき、最適な運用法を見つけ出してほしいと筆者(白石 光:戦史研究家)は考えます。

【了】

【迫力の射撃】ウクライナ軍仕様のAMX-10RC&自衛隊の16式機動戦闘車(写真)

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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