【空から撮った鉄道】「阪急淡路駅」「うめきた2期」大阪都心で進む2大再開発はまだまだ工事中
『空から撮った鉄道』で何度か紹介してきた、阪急淡路駅の高架化事業と梅田貨物駅跡地の再開発事業うめきた2期地区。今回は2023年9月に空撮した最新の状況を紹介します。許可された飛行高度は高めでしたが、これが再開発地の全景を捉えるのに奏功しました。
この記事の目次
・おおさか東線と東海道新幹線を跨ぐ計画
・跡形もなくなった梅田貨物駅
【画像枚数】全15点
おおさか東線と東海道新幹線を跨ぐ計画
阪急淡路駅と梅田貨物駅跡地再開発事業は、数年おきに空撮してきました。前回は2021年でしたが、2年後の2023年9月に空撮してきましたので紹介します。過去の記事も参考にご覧ください。
まず紹介するのは阪急淡路駅です。名称は「阪急電鉄京都線・千里線淡路駅付近連続立体交差事業」で、発注者は阪急電鉄、事業主体は大阪市建設局です。京都線と千里線が平面交差する淡路駅とその周辺を重層化高架にすることで、17か所に及ぶ踏切の解消や、ボトルネックとなっているダイヤの改善が期待されます。工事が着手されたのは2008(平成20)年のこと。今年で15年を迎えますが、まだ完成していません。
工事は延期を繰り返しますが、その理由を大阪市は、土地確保の問題としています。淡路駅周囲は家屋の密集する地域で、そこを重層化高架化するのは容易ならざること。しかも、JRおおさか東線と東海道新幹線を跨ぐ高架橋も架橋せねばなりません。JRおおさか東線とクロスする高架橋は無事に架橋されましたが、東海道新幹線をクロスする箇所はまだ架橋されていません。
淡路駅を空撮する際には、伊丹空港の管制圏内となるため管制許可が必要となります。事前に申請し、当日は管制と調整しながらの飛行となるわけですが、コロナ禍が落ち着いて伊丹空港の離発着便数が増えたため、日中の時間帯でも断続的に旅客機が着陸します。その合間を縫っての撮影となり、長らく待機することも予想されました。
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Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。