「10年で実現せよ」国で議論急浮上の“自動物流道路”構想とは 道路の使い方を変える=鉄道の活路にも?
物流専用にして4車線化したら?
特に四国の小委員会では、高規格道路の「暫定2車線区間を自動運転車の物流路線として1車線増やすことも考えられる」という意見がありました。四国の高規格道路は暫定2車線区間が多く、サービスレベルや道路の安定性の面で課題になっているため、この自動物流道路としての役割が、4車線化への道筋をつけることになるかもしれません。
他方、「物流は自動物流道路だけでなく、鉄道との連携が重要」との意見も。廃止問題に揺れる鉄道ネットワークも自動物流システムに活用できるというものです。現に『WISENET2050・政策集』では、イギリスの鉄道空間を活用して低コストのリニアモーターを使用した完全自動物流システムの計画を紹介しています。
また、自動物流道路を具体化するうえで、「荷主による使い方の議論も必要であり、国交省内だけでなく省庁間連携が必要」という指摘もありました。
ちなみに、『WISENET2050・政策集』で実現が明記されているのは自動物流道路だけではありません。
道路ネットワークを活用して再生可能エネルギーなどを送電する「電力ハイウェイ」構想や、高速道路トンネルの下面を放水路に活用し、集中豪雨に対する治水機能を持たせたマレーシアの事例、「高速自転車道」と称し、高速道路と並行して規格の高い自転車道を整備したノルウェーの事例を紹介し、これらの整備を推進するとしています。
国土交通省は「自動車の道路から、多様な価値を支える多機能空間へと進化」する目標を掲げており、こうした側面が重視された道路整備が、今後進むかもしれません。
【了】
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