これぞ未来の大砲「レールガン」の使い方、研究現場で聞いてきた 米軍も諦めた課題、日本が世界をリード!

「発射機」から「砲システム」へ

 現在、1発1発の単射により技術的課題を解明するための試験が行われており、今後は連射や電源、弾丸の安定飛翔などの課題に取り組むことが予定されているとのことでした。つまり、単なる「発射機」から「砲システム」へと、より実用的な防衛装備品に近づけていくことが、これから必要になります。

 動画で公開された現在の砲も、そのまま実戦に用いるようなシロモノではなく、あくまでレールガンの基礎技術を確立するための試作機です。そのため、最終的には運用目的やプラットフォーム(車両や艦艇、または地上固定式など)にあわせて、大きさや口径も変化していきます。

 たとえば、長射程を活かした運用が考えられる一方で、速度(威力)を重視した比較的短射程の運用も考えられます。運用側、すなわち自衛隊サイドが何を要望するかによって、完成形はまったく違うものになるでしょう。

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イラストで示されたレールガンの将来構想。長射程を活かしたスタンドオフ防衛能力(敵の脅威圏外からの対処)や、安価で大量の弾丸を携行できることから連射能力が強味となっている(画像:防衛装備庁)。

 では、いつ実戦配備される見込みなのでしょうか。この点については、具体的な明言こそありませんでしたが、レールガンについては「早期装備化」が防衛省の資料でも示されているため、研究サイドとして技術の積み上げと実証に注力し、いち早い実用化に貢献していくとのことでした。

 実用化されれば、日本の防衛力に大きな役割を占めることは間違いないレールガン。研究者の皆さんからお話を伺い、改めてその完成が待ち遠しいと感じました。

【了】

【小さっ!】これがレールガンの専用弾です(写真)

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