「それ、読み方違います」 新幹線駅vs高速道路“同じ名前で違う読み”の場所がある!? 130年のねじれ現象とは
新幹線の駅名で広く知られる地名が、実は高速道路だとIC名やJCT名など、ことごとく読み方が違うという場所があります。背景には、いろいろねじれてしまった歴史がありました。
変わらない鉄道駅、変えてきた高速道路、そしてねじれた地名
年末年始は新幹線と高速道路、どちらで帰省するでしょうか。どちらも使うケースがあるという人もいるかもしれません。実は、新幹線と高速道路で同じ駅名・IC名なのに、読みが違う場所があるのをご存知でしょうか。
それが滋賀県の「米原」です。東海道新幹線が停車するほか、在来線はJR西日本とJR東海の接続点であり、東海道本線と北陸本線、さらに近江鉄道が接続する全国有数のジャンクション駅です。駅名の読みは「まいばら Maibara」です。
高速道路でも、米原の地は名神高速と北陸道が交わる米原JCT、そして米原ICがある要衝です。ところが高速道路では、これらは全て「まいはら Maihara」と読みます。どちらが正しいのでしょうか。
鉄道の駅は、1889(明治22)年の開通当初から「まいばら」です。しかし、もともとの村の字名としては「まいはら」、町制を施行し米原町が成立した段階でも「まいはら」でした。
高速道路のほうは、1980年に北陸道が開通すると米原JCTや米原ICが誕生します。この段階では、駅名に合わせて「まいばら」としていましたが、2001年、町名に合わせて「まいはら」に変更しました。
ところが2005年、市制施行で「まいばら」市が成立してしまったのです。
米原市によると、これは近隣自治体と合併する際に市名を公募し、新幹線駅で知名度の高い「米原」市に決定したといいます。このとき駅名に合わせる形で、市名の読みも「まいばら」にしたそうです。
このため、米原駅の所在地「米原市米原」は「まいばらしまいはら」と読むようになりました。高速道路は「まいはら」のままで、一般道の青い案内標識でも「Maihara」の表記が残っています。
実のところ、昔から「まいばら」と読むケースもあったとする説もありますが、律儀に町名へ合わせた高速道路が、その歴史を物語る存在になりました。
【了】
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