有料道路になるかも!?「新山梨環状道路」最後の未事業化区間に県が提案「早期整備のため」検討開始へ
渋滞慢性地帯の東西軸にバイパス道路が必要となっています。
最後の未事業化区間
国土交通省 関東地方整備局は2023年12月25日(月)、甲府盆地をぐるっと結ぶ高規格道路「新山梨環状道路」の事業状況について、山梨県と調整会議を行いました。
甲府市周辺は、東西に伸びる国道20号と、静岡方面からくる交通、秩父方面からくる交通が合わさる結節点となっており、交通集中が激しく渋滞が課題となっています。
そのため、通過交通を郊外にバイパスさせる環状道路が整備されています。それが「新山梨環状道路」です。
事業はかなり進んでいて、まず静岡方面から中央道へ直結する「中部横断道」が開通。そこから東回りで南アルプスIC~落合西ICの16.1kmが開通済みで、そこから秩父方面の西関東連絡道路につなぐ東側区間の桜井JCTまでが事業化済み。残る北側でも、国道20号から中央道甲斐JCT(仮)を経て昇仙峡入口までの5kmが事業化済みです。
最後の未事業化区間が、北側の10km(牛句~桜井)です。今回の会議でも、この未事業化区間がいつ事業化されるか、山梨県は意識しているようです。
山梨県は今回、ここを含む桜井~甲斐について、早期整備実現のため「直轄事業と有料道路事業の合併施行に計画変更してはどうか」と提案しました。
これはつまり、一部を国の公共事業で建設し、残りを高速道路会社が建設して、そのまま有料道路として管理・運営していくというものです。高速道路会社としては、作った分の持ち出し、つまり自力で償還すべき費用が少なくて済むため、事業着手に踏み切りやすいというわけです。
もしそれが厳しい場合も、用地買収の一部を県のほうで行うなど、早期整備に向けて国に協力していく構えを示しました。
国交省側も、未事業化区間について、国道20号その他県道など中央線に並行する東西軸が軒並み慢性的な渋滞となっており、交通事故の件数も他より多くなっていることを踏まえ、バイパス道路の整備が重要である認識を見せています。
そのうえで今後、この区間でトンネルや橋梁などの構造検討をおこなっていくとし、山梨県の提案した「有料道路」のスペックを前提とした検討もふまえると明らかにしています。
【了】
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