運航管理に穴がある? 羽田事故で揺らぐ“信頼”の原則 国交省「管制指示をチェックする管制官」を急ぎ配置

羽田空港滑走路の航空機衝突炎上事故は、管制を含む、いわゆる運航管理に何らかの要因があったのではないかと言われています。これを受け、国土交通省はシステム監視に専任する管制官を配置し、ヒューマンエラーの防止を図ります。

「ある意味、信頼を原則として仕事をしている」が揺らぐ

 離発着の間隔にゆとりがあれば生じる必要のない緊張感について、国交省航空局はこう説明します。

「例えば、滑走路停止線の前で止まるという管制指示が出されているのであれば、そこで止まっているということを前提に置いた上で、ほかの航空機に指示をする――ある意味、信頼を原則として仕事をしている」

 管制の指示は守られることが前提ですが、今回のように結果的に指示が守られなかった場合に事故の発生を防ぐソフト面のフェイルセーフについて、航空局はどう考えているのでしょうか。

「誤った挙動があれば、周りの監視の中で関係者において気付く、システム的に検知することで事故につながらないようにするということが安全策として考えられる」

 そこで、冒頭の「滑走路占有監視支援機能」に戻ります。5日の夕方、斉藤鉄夫国交相は会見で次のように話しました。

「航空の信頼回復を図ることは大きな使命のひとつと考えており、総力を挙げて空の安心安全対策に取り組む。このため羽田空港で明日(6日)より、滑走路への誤進入を常時レーダー監視する人員の配置を行うこととし、これをはじめとする緊急対策を連休明けにも取りまとめて公表する」

 斉藤氏のいうレーダー監視とは、まさしくこの「滑走路占有監視支援機能」のことです。羽田空港では常時約15人の管制官が、航空管制を担っています。それぞれ離発着を判断するタワーコントロール、航空機を滑走路手前まで誘導するグランドコントロールなどの役割がありますが、そうした管制指示に対する“ヒューマンエラーをチェックする管制官”が初めて専任されることになったのです。しかし、羽田空港には4つの滑走路があり、当面はこの中から選ぶことになります。人員配置は簡単ではありません。

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「今できることからやる」と話す斎藤国交相(中島みなみ撮影)。

 この緊急対応について斉藤氏は、あくまで現状できることを示すもので、事故の原因究明は運輸安全委員会の調査と警視庁の捜査で明らかになることを強調します。

「滑走路占有監視支援機能」を備えた空港は羽田のほかにも、新千歳、成田、中部、関西、福岡、那覇にあります。これらの空港での支援機能の活用はぞれぞれの管制官に委ねられています。航空管制を含むフェイルセーフの議論は始まったばかりです。

※海保機の名称を海上保安庁の呼称「MA722」から登録記号「JA722A」に改めました。

【了】

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Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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