運航管理に穴がある? 羽田事故で揺らぐ“信頼”の原則 国交省「管制指示をチェックする管制官」を急ぎ配置

羽田空港滑走路の航空機衝突炎上事故は、管制を含む、いわゆる運航管理に何らかの要因があったのではないかと言われています。これを受け、国土交通省はシステム監視に専任する管制官を配置し、ヒューマンエラーの防止を図ります。

過密な離発着は、パイロットの注意義務が前提で実現している

 航空史上まれにみる羽田空港滑走路の航空機衝突炎上事故は、機体の不具合は認められていない反面、管制を含む、いわゆる運航管理に何らかの要因があったのではないかと言われています。そこで国土交通省は2024年1月6日から、システム監視に専任する管制官を配置しました。

 

 航空機には「フェイルセーフ」という、万が一に不具合が生じても、安全な機能を確保しその影響を最小限に留める設計思想がありますが、分単位で発着する航空機の運航管理に、フェイルセーフの思想は構築されていたのでしょうか。

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空港と管制塔のイメージ(乗りものニュース編集部撮影)。

 羽田空港は大小さまざまな航空機が、事故前は1時間あたり80~90回の離発着を繰り返す国内一の混雑空港です。この航空管制の安全は、機長や副操縦士の注意義務が前提で成り立っています。

 例えば、管制のシステムにある「滑走路占有監視支援機能」は、高性能のレーダーを使って滑走路上を走る航空機の位置を把握するもので、羽田空港を含む国内の主要7空港で装備されています。空港を走る航空機の位置を示すマーカーがモニター上で誘導路にあるときは黄色、滑走路に入ると赤色に変わるので、管制官がこのモニターで海保機の滑走路進入に気付くことができれば、事故は防げたかもしれません。

 しかし、この支援機能は元来、管制官の監視を“支援”することが目的で、列車や自動車のように誤った操縦を制御する機能や、管制官の気付かないことを警告音で知らせる機能はありませんでした。

 すでに、羽田空港の過密ぶりは自動制御が介入できないほどのレベルにあるのです。

 1月2日に公開された交信記録で明らかなように、C滑走路のタワー管制官は事故直前に、海保機(JA722A)とJAL機(JAL 516便)のほかに3機の離発着機を担当し、4分21秒の間に離発着許可、誘導など状況の異なる判断を繰り返していました。航空機の機長や副操縦士はそれら指示のなかから、わずかな時間に自分の航空機に関する内容だけを聞き出して、滞りなく機体を移動させなければなりません。

「1本の滑走路に航空機は1機」という大原則に従えば、ひとつの着陸を見届けて、離陸指示を出すことができるのですが、混雑空港では着陸の合間に差し込むように離陸させなければ、要求される航空需要を処理することは不可能です。これを支えるのは管制官の適切な指示と、航空機乗員の現場対応力です。

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