ダイハツ不正めぐり国交省「衝突試験を公開」へ 外部の試験官立ち合いで ただ場所は異例の“自社工場”
ダイハツの型式申請をめぐる不正について、国土交通省は確認試験の一部を公開することを決めました。不正行為をめぐる確認試験の公開は過去に三菱自動車に対して実施されたことがありますが、今回はその場所も異例です。
ダイハツ滋賀工場でフルラップ前面衝突試験を公開
ダイハツ工業で30年以上続いた型式申請をめぐる不正について、国土交通省自動車局は確認試験の一部を2024年1月15日に公開することを決めました。不正行為をめぐる確認試験の公開は、10年以上にわたって軽自動車の燃費不正を続けていた三菱自動車に対して実施されたことがありますが、製造元の工場で行われることは異例です。
衝突時の安全性を担保する衝突試験やエアバッグ試験などで64車種3エンジンに及ぶ不正を続けていたことを公表したダイハツ工業で、国土交通省が行う確認試験の一部を同社工場で公開します。公開場所となるのは、滋賀県竜王町にある同社滋賀(竜王)工場第二地区。
公開される確認試験は、運転席と助手席にダミーを乗車させて、試験車両を速度50km/hでコンクリート製の壁に正面衝突させるフルラップ前面衝突試験です。エアバッグが想定する被害軽減効果を検証するもので、試験車両にはダイハツ「グランマックス」を使用します。
同社の不正は、2023年春のドアトリム不正、ポール衝突試験不正の発覚がきっかけとなっていますが、その後の第三者委員会の調査では、ダイハツ「ムーヴ」/スバル「ステラ」、ダイハツ「キャスト」/トヨタ「ピクシスジョイ」、ダイハツ「グランマックス」/トヨタ「タウンエース」/マツダ「ボンゴ」のエアバッグに関する試験で、量産車に搭載するエアバッグを作動させるコンピュータを使わず、タイマーで着火させて不正に衝突試験を行っていたことが公表されています。
ダイハツは第三者委員会の調査公表後、不正のあった車種すべての安全性能と環境性能が基準を満たしているか、同社独自に検証・試験を実施し、一部の側面衝突試験を除いて、法規が求める性能基準を満たしていることを確認した、と発表しています。
今回、国交省自動車局が行う公開試験は、同社の独自検証とは別に、NALTEC(自動車技術総合機構)試験官の立ち合いで行われます。NALTECはリコール技術検証も実施する試験機関です。
自動車メーカーの不正発覚後に同省が実施する公開試験は、2016年4月に発覚した三菱自動車の燃費不正問題で、不正車両の燃費測定試験をNALTEC交通安全環境研究所で実施したことがありますが、ダイハツの場合は、同社工場内で実施することになりました。
その理由について国交省自動車局関係者は、NALTECで新型車など通常の試験日程が立て込んでおり「より早く確認作業を進めるため」と話しています。
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Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
諸突不正でダイハツもここまで落ちぶれてないだろう
仮に国交省の定めた基準クリアしてなかったら、ダイハツは廃業だね。トヨタには、スズキがあるから痛くもかゆくもない