京葉線「快速廃止問題」で「JRが見落としたもの」とは? 異例の「ダイヤ改正見直し」を生んだ地元事情

京葉線の2024年春のダイヤ改正は、廃止が発表された「朝ラッシュの快速」を、翻して「やはり廃止しません」と発表修正した異例の事態となりました。それでも「通勤快速」の廃止は覆らず、地元は反発したままです。なぜこのような事態が起きたのでしょうか。

ダイヤ改正に「地域の意見を反映する仕組み」は現実的か?

「事前の調整」で対立を防ぐことはできなかったのでしょうか。実際、沿線自治体は「ダイヤ改正をする際は事前に地域の意見を反映する仕組みを創設」(1月10日付千葉日報)することを求めています。

 とはいえ鉄道事業者は既に、地域から寄せられる様々な要望を勘案し、総合的に判断してダイヤ改正を行っています。これが「聞く」だけでなく「反映しなければならない」となれば、実質的に沿線自治体の同意がなければダイヤ改正できなくなり、現実的ではありません。問題はJR東日本自身が「考えが至らなかった」と述べているように、聞く力が十分だったかという点にあったのではないでしょうか。

 今後、首都圏でも本格的な人口減少社会に突入し、どの路線も利用者数は減少していきます。その時、数字だけを見て減便、種別変更を進めてしまうと、地域の衰退、利用者の減少が加速しかねません。それは事業者にとっても望ましい結果ではないはずです。

 今回、JR東日本が異例の見直しに踏み切ったことで、地域との信頼関係はギリギリ保たれることになりました。房総半島は首都圏でも利用者の落ち込みが顕著なエリアですが、今後は事業者と地域が人と知恵と資金を出し合って、地域と鉄道の再生に取り組んでいくことを期待します。

【了】

【画像】えっ…!? これが京葉線の「黒歴史」になった「幻の新型車両」です

Writer:

1982年、埼玉県生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)で広報、マーケティング・リサーチ業務などを担当し、2017年に退職。鉄道ジャーナリストとして執筆活動とメディア対応を行う傍ら、都市交通史研究家として首都圏を中心とした鉄道史を研究する。著書『戦時下の地下鉄 新橋駅幻のホームと帝都高速度交通営団』(2021年 青弓社)で第47回交通図書賞歴史部門受賞。Twitter:@semakixxx

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コメント

3件のコメント

  1. そんないちいち聞いてたらダイヤなんて組めるわけない

    自治体が金出すとかならまた別だけど

  2. 速達系列車の廃止や特別料金を要する列車への格上げ強行は、同業他社が存在しない排他的地位にあることにあぐらをかいて利便性をないがしろにして沿線の利用価値を自ら下げる行為であり、地元自治体や運賃を支払わされる住民の反発は至極当然のこと。

  3. 千葉県の自然と生物多様性を守る会としては開発圧力を減らすJRの通快廃止の大英断を歓迎したい。次は茨城の自然を守るためにつくばエクスプレスで実現したい。

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