「東京メトロの株式上場」なぜここまで遅れた!? 民営化から「速やかに」のはずが 決定へのいきさつとは

東京メトロが2024年度に株式上場となる見込みです。株式会社の設立から20年。早くから上場の話はありましたが、なぜ今までしなかったのでしょうか。また、今後どうなるのでしょうか。

上場を先延ばしにした張本人は…

 とはいえ株式上場は株主、つまり国と都の同意がなければ実現しません。政府は会社法に基づき早期の株式売却を求めましたが、都が売却に消極的な姿勢を貫いたため、「できる限り速やか」とされた上場は延期されます。

 その後、東日本大震災を受け、2011(平成23)年に成立した「復興財源確保法」は東京メトロ株式売却益を東日本大震災の復興財源に充てると決定しましたが、当時の猪瀬直樹東京都知事が東京メトロと都営地下鉄の経営一元化を主張し、株式の売却に反対したことで売却は頓挫します。

 しばらく膠着状態が続きますが、ようやく2021年になって国土交通大臣の諮問機関である交通政策審議会が、政府と東京都が保有する株式のそれぞれ半分を売却して上場する答申をまとめました。

 審議会はあわせて「首都・東京の国際競争力を更に強化する観点に加え、観光客の目的地への円滑なアクセスや流動分散など快適な移動手段の確保の観点」から、かねて東京都が整備を求めていた東京8号線(有楽町線)豊洲~住吉間を早期に事業化すべきと答申します。

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東京メトロと都営の経営一元化が議論された時期もあった(乗りものニュース編集部撮影)。

 東京メトロはそれまで、8号線延伸の整備主体となることは極めて困難と表明していましたが、答申は「運賃水準や乗換利便性など利用者サービスの観点や整備段階での技術的な観点からも、東京メトロに対して事業主体としての役割を求めることが適切」と結論付けました。

 答申は「これまでの閣議決定や法律において完全民営化の方針が規定されていることを踏まえ」、8号線延伸の「事業主体となることと一体不可分のものとして東京メトロ株式の確実な売却が必要」として、事実上、東京メトロが8号線の建設を受け入れる見返りに、都は株式の売却に同意することとなりました。

【画像】まだまだこんなにある!? 壮大な「東京地下鉄」新路線計画を見る

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