「ゲームで弱点を知った」歩兵戦闘車でロシア戦車を撃破し喝采 ウクライナの若き砲手の話は本当か

ウクライナ軍のM2ブラッドレー歩兵戦闘車が雪原で、突如としてロシア軍のT-90戦車と撃ち合いに。結果はM2へ軍配が上がりました。なぜM2がT-90を撃破できたのか。しかしそれを考察する前に、これが事実か慎重に見極める必要があります。

M2が連射可能な仕組みとは

 M2にはTOW対戦車ミサイルが装備されていますが、携行弾数が少ないうえすぐに発射することはできず、近すぎる目標にも使えません。この場面では25mm機関砲を乱射するしかありませんでした。T-90の背面などなら装甲を貫通できないこともありませんが、よほど当たり所が良くなければ、致命傷を与えることは困難です。一方T-90の125mm主砲なら、M2のどこにでも1発当たれば確実に撃破できてしまいます。

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ロシア軍のT-90M戦車(画像:ウラルヴァゴンザヴォート)。

 M2のM242 25mm機関砲「ブッシュマスター」はチェーンガンとも呼ばれています。機関銃や機関砲といった自動火器の多くは、発砲時に発生するガスか反動の力でボルト(遊底:銃の基部にある部位。薬室への弾薬の装填、撃発、後部へのガス漏れの閉鎖、発射後の空薬莢の排除などを行う)を作動させて、給弾・発砲・排莢のサイクルを繰り返して連射しますが、不発射弾や弾詰まり(ジャム)で射撃不能になることがあります。M242はボルトの動作をチェーンで連結した電動モーターで行うので、不発射弾が出ても作動が止まらず、強制排莢して射撃を続けられます。

 戦場で火器の弾詰まりは悪夢ですから、連射できるのは大きな利点です。またM2には砲安定装置が装備されており、走行中でも目標に照準を定め続け、弾を浴びせ続けられます。

 湾岸戦争でも、M2の25mm機関砲で戦車を行動不能にした例が報告されており、強烈なパンチ1発でなくとも、切り傷を多数負わせればノックダウンできることが証明されています。多数の命中弾を受ければ、誘爆せずとも反応装甲は作動してしまうし、センサー類が破損します。連続した衝撃は車内にも伝わって車内機器も破損しますし、乗員はパニックになり落ち着いて照準することもできなくなります。結果として戦闘不能になってしまうのです。

【これが「ロシア軍のT-90戦車を撃破した」機関砲です】

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