「取締られないと思ってた」 ペダル付原付「モペット」都内初の危険運転致傷、その大きすぎる代償 今日も無届車が行き交う

ペダル付き原付(別名モペット)を無届・無保険で運転した若者が信号無視で衝突事故を起こし、「危険運転致傷罪」の容疑で書類送致されました。都内初のペダル付き原付の送検となった事故現場に立つと、今もなお無届車が往来しています。

「他の人も乗っているから」その油断の代償は大きい

 2023年7月23日13時20分頃、東京都新宿区の主要幹線道路「明治通り」をペダル付き原付、いわゆる「モペット」に乗りアルバイト先に急いでいた男性(24)が、信号のある交差点で衝突事故を起こしました。約7か月後の1月18日、男性は「危険運転致傷罪」の容疑で書類送致されました。都内初のペダル付き原付による送検です。

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東京都新宿区、明治通りの事故現場。ナンバープレートのないペダル付き原付とみられる乗りものが往来している(中島みなみ撮影)。

 事故現場となった交差点に、平日の同じ時間帯に立ってみました。オフィスや商店、近くには公営団地もあり、昼食や買い物に出る人たちで、車道1車線分以上ある歩道が狭く感じるほどの人通りです。

 その人込みを避けるように、車道の左側を明らかに自転車より早く、自動車やバイクと同じようなスピードで走り抜けていくペダル付き原付がいます。その割合は原付バイクより少ない台数ですが、電動キックボードよりは多く、10分に1台ほどの頻度で通過していきます。

 自転車にも原付にもなる「モペット」はもともと非力なエンジンを補う乗りものでしたが、最近ではコンパクトな電動タイプが主流になっています。アシスト自転車と見分けがつきにくいと思われがちなものの、自転車のような細いフレームの二輪車が、原付バイクと同じようなスピードで通過するので、明らかにそれとは違うことがわかります。

 それでもナンバープレートを付けずに走っているペダル付き原付の多くは、たいした違反ではないと考えているようです。

 書類送致された男性もその一人でした。捜査を担当した警視庁新宿署は、男性についてこう話します。

「被疑者は運転免許の必要性を自覚していました。購入時(そのままでは)公道を走行できないことも認識していましたが、『ほかの人も乗っているので、取締りを受けないと思っていた』と供述しています」

 この事故では、男性が乗っていたペダル付原付の機種についても、捜査のポイントになりました。

【これは危ない】事故現場で次々きた「無届ペダル付原付」(写真)

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