高速SA・PAの「駐車場有料化」どうしてそんな議論に? そうなるか、ならないかは「ドライバーのマナー次第」なワケ
駐車場有料化への踏み台が?
駐車場の「有料化」、その検討に入る前段階として、まず進められていることがあります。それが、2023年11月から順次導入が始まった、大型車の「短時間限定駐車マス」です。NEXCO東日本管内では同月に東北道の上河内SA上り、12月に蓮田SA上りで導入されており、一部の大型車マスが「60分以内」の利用と決められています。
この短時間限定駐車マスは、実証実験の位置づけですが、「長時間駐車車両の存在により、駐車ができずにSA・PAを出ていく大型車が多い休憩施設」を対象に整備するとされています。
「有識者委員会にて実施した長時間駐車の実態分析では、長時間駐車(8時間以上)車両の内、トリップ長が300km未満の高速道路の走行距離が短い車両が4割を占めており、『自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)』で定められている休息によらない、時間調整等による長時間駐車を行う車両が多いことが明らかとなっています」
NEXCO東日本はこう話し、駐車マス不足で「4時間に30分の休憩を適切にとれないドライバーへの対策として」短時間限定駐車マスを運用しているとしました。
さらに、「有料化」については次のように説明しました。
「短時間限定駐車マスの拡大を進めていっても、混雑が解消せず、適切な休憩環境を提供できない休憩施設に対して、改善基準告示に基づく休憩が必要となる利用者への配慮をした上で、一定時間以上の利用に対して検討するものとしており、中長期的な対策として今後検討していく予定です」(NEXCO東日本)
つまり、短時間限定駐車マスがドライバーのあいだで適切に運用されなければ、今後「有料化」議論に傾く可能性がある、という見方もできます。
有料化ついては、予約システムを導入した東名の豊橋PA下り線(旧豊橋本線料金所跡)にて、無料運用から夜間の1時間以上の利用を有料(中大型60円/5分)に切り替えたところ、予約・利用の大半が1時間以内になった、という効果もNEXCO各社は得ています。
このほかに、高速道路外も含めたSA・PAの数を増やす方針も打ち出されています。
【了】
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