「鮮魚トラック」なのに「精密機械輸送中」って!? 銀ピカトラックが半導体業界で活躍する「2つの理由」とは

「冷凍冷蔵装置がある」というスペックも重要!?

 もう1つの理由は「温度を一定に保つ」という点で、こちらのノウハウの蓄積も十分あります。

 半導体工場内の気温は、一般的に20~25℃に保たれています。その一番の理由は温度変化で「結露」が発生するのを防ぐことです。

 いくら工場できちんと管理していても、輸送中に温度管理ができず「半導体製造機械」が結露してしまうと、最悪の場合、その損害額は数十億円に達し、そればかりか工場での半導体生産計画にも大きな支障が出てしまいます。もちろん保険はかけてはあるはずで大半はカバーできそうですが、輸送業者の信頼失墜は計り知れません。

 そこで鮮魚輸送の時と同じ発想で、箱内を20~25度で一定に保ちながら輸送できる銀色の箱型トラックの出番となったのです。

 ちなみに、この分野でリードするのはトラックボディー大手の山田車体工業(ヤマダボデー)で、最近は半導体製造装置の大型化にも対応し、車体後部から載せる「後ろ載せ」だけでなく、車体側面から一気に積み降ろしが可能な、ウィング型トラックも開発しています。

【了】

【ここまで荷台が"開く"のか!】これが最新の「冷蔵・冷凍トラック」です(写真)

Writer: 深川孝行

1962年、東京生まれ。法政大学文学部地理学科卒業後、ビジネス雑誌などの各編集長を経てフリージャーナリストに。物流、電機・通信、防衛、旅行、ホテル、テーマパーク業界を得意とする。著書(共著含む)多数。日本大学で非常勤講師(国際法)の経験もある。

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