自衛隊なぜ「歩兵」を「普通」と呼ぶ? “軍隊じゃない” 独特の言い換え 実にアッパレな呼称と言えるワケ
陸上自衛隊には「歩兵」は存在しません。ただ、それに相当する存在として「普通科」という職種が設けられています。しかし、なにが「普通」なのでしょうか。実は現代戦の本質を抑えたナイスな言い回しだった可能性がありました。
自衛隊は軍隊ではありません
自衛隊は、海外はともかく国内においては「軍隊ではない」とされています。そのため、「兵士」ではないという観点から、所属する人員のことを「自衛隊員」「自衛官」と呼びます。 それ以外でも、旧日本軍を含め諸外国の軍隊では広く使われている言葉を “自衛隊独自の言い方” に変えているものが多々見受けられます。
たとえば、軍艦は「自衛艦」に、駆逐艦や巡洋艦などは「護衛艦」としているほか、「攻撃ヘリコプター」は「戦闘ヘリコプター」に、「参謀」は「幕僚」へ、「将校」は「幹部」に、そして「軍曹」は「陸曹/海曹/空曹」と言い換えています。
その一環で、他国の軍や旧日本軍で使われる、兵士の軍における役割を示す「兵科」というものも「職種」と呼称を変えています。なかには戦車を動かす「機甲科」や、傷病兵をケアする「衛生科」など旧日本軍や諸外国とまったく同じ名称のものもありますが、自衛隊独特ともいえるのが、「普通科」と「特科」ではないでしょうか。
「普通科」は他国軍でいう歩兵を、「特科」は砲兵を意味します。自衛隊に詳しくない人が聞いたら、その意味がピンとこない呼称かもしれません。一体どのようにして決まったのでしょうか。歴史的な事情は明らかになっていませんが、地上部隊の作戦行動を考えた時に、ヒントがあるようです。
校正原稿残ったままですよ…