自衛隊なぜ「歩兵」を「普通」と呼ぶ? “軍隊じゃない” 独特の言い換え 実にアッパレな呼称と言えるワケ
「普通」って何を指している?
敵と戦う地上部隊の作戦行動において、最大の目的は「相手の拠点や占領地域を奪う」ことにあります。陸上自衛隊の場合は日本の防衛をする立場ですから、相手に占拠された自国地域を奪還する(奪い返してコントロール下に置く)ことが主任務であり、多くの演習ではそのためのシナリオを用いて実施されています。
年に一度開催される「富士総合火力演習」や「降下訓練始め」、また各駐屯地での公開行事における模擬戦闘では、まず相手側の情報を入手する「偵察」から始まり、最後は普通科部隊(もしくは全部隊)の突撃で終わることがほとんどです。ここに、他国軍の歩兵に相当する人々を「普通科」と呼ぶカギが隠れています。
敵に占拠された土地を奪うには、その影響力を完全に排除しないと、また奪い返される可能性が残ってしまいます。そのため、土地の隅々まで展開し、相手の戦力を一掃することが必要です。この行為を一般に「掃討」と呼んでいます。
この掃討で主力となるのが歩兵、自衛隊でいう普通科です。移動は車両や航空機を使うものの、戦闘の最後の場面は装甲車などに乗っていても下車散開し、徒歩で行います。これは、車両や航空機などでは立ち入れない場所にまで入り、敵の脅威がないかを確認する必要があるからです。
校正原稿残ったままですよ…