東京湾に来る!? 異形の「水素をつくる船」 とんでもない姿の「動くプラント」が“早期に実用化”できるワケ
どれだけつくれば「原発1基分」に?
さらに、無人運航船であるため、着岸時はドローンが係船索を陸上へと運びます。船と陸側設備とをつないでMCHを陸揚げし、船のタンクが空になるとトルエンを補給しつつ、船の現在地から効率的にたどり着ける風が強いエリアを探し、再び水素を生産するため出港します。
「ウインドハンターは基本的には既に確立された技術の応用で、早期の実用化が可能だと考えている。大型化・多数隻化ができ、220m級の双胴船を30隻建造した場合は、原子力発電所1基分のエネルギー生産量になる。グリーン水素を他国に頼らず自前で生産し販売できるようになれば、エネルギー安全保障にも役立つのではないか」(大内氏)
このウインドハンタープロジェクトは東京都が行う「東京ベイeSGプロジェクト」の2023年度先行プロジェクトに採択されています。東京湾や周辺海域で、まずヨット型の実験船「ウインズ丸」を使い、実船上でのグリーン水素生産、MCHの船上貯蔵、中央防波堤エリアでの陸揚げ、水素の供給といった一連の流れが実証される予定です。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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