「艦隊」=軍艦ゾロゾロじゃない! 第3艦隊が「今から第7艦隊になります」もあり得る!?

「艦隊」という言葉を聞いてどのようなイメージを持つでしょうか。戦艦や空母を中心に周囲を護衛駆逐艦が取り囲む――しかし、アメリカ海軍で耳にする「第○艦隊」は、このイメージとは異なります。

第7艦隊の司令部は艦内に!?

 つまり、アメリカ海軍における「〇〇艦隊」というのは、担当区域別に指揮下の部隊を管理する組織ということになります。一般に想像される艦隊という意味では、むしろその指揮下にある任務部隊の方が近いといえます。たとえば、第7艦隊の中に置かれている第70任務部隊は、原子力空母「ロナルド・レーガン」を中心とする強力な水上部隊です。

 ちなみに、ある艦隊の艦艇が別の艦隊の担当区域に入ると、その間はその区域を担当している艦隊の指揮下に入ることになります。たとえば、アメリカ本土を出港した艦艇であれば、当初は第3艦隊(国際日付変更線より東側の太平洋を担当)所属ながら、国際日付変更線をまたいだ瞬間に第7艦隊の指揮下に入るという具合です。

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アメリカ海軍における艦隊の担当区域図(画像:パブリックドメイン,via Wikimedia Commons)。

 ところで、冒頭で紹介した第7艦隊の司令官交代は横須賀基地で行われましたが、それでは第7艦隊の司令部は横須賀基地に置かれているのでしょうか。厳密にいうと実は違います。というのも、第7艦隊の司令部は“移動式”であるためです。

 第7艦隊司令部は、横須賀基地を母港とするアメリカ海軍の揚陸指揮艦「ブルーリッジ」の艦内に置かれています。「ブルーリッジ」は1970(昭和45)年に就役した艦艇で、軍の指揮を執るための洋上基地として機能するべく、通信システムを満載した特殊な軍艦です。横須賀基地に配備されたのは1979(昭和54)年のことで、横須賀基地を母港とする軍艦の中では現在、最古参の艦艇です。

 中国や北朝鮮への対応を見据えると、今後も第7艦隊には最新鋭の艦艇が多く配備されることになるでしょう。それらの活動を支える「ブルーリッジ」を含め、将来にわたり日本ではさまざまな軍艦を目にする機会に恵まれることになりそうです。

【了】

従来のイメージ? 陣形を組む旧海軍「赤城」「蒼龍」「比叡」「金剛」…(写真)

Writer:

軍事ライター。現代兵器動向のほか、軍事・安全保障に関連する国内法・国際法研究も行う。修士号(国際法)を取得し、現在は博士課程に在籍中。小学生の頃は「鉄道好き」、特に「ブルートレイン好き」であったが、その後兵器の魅力にひかれて現在にいたる。著書に『ここまでできる自衛隊 国際法・憲法・自衛隊法ではこうなっている』(秀和システム)など。

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