国交省“不適切”電動キックボード等の排除に本腰 実際にアレコレ買って試す→思っている以上に多かったワケ
基準不適合! その後どうなる?
不適合の原因となっているのは、主に前照灯や尾灯の光量不足や、照度範囲不足です。ほかにも、ウインカー左右の間隔が狭く24cm以上離して取り付ける基準にあっていなかったり、昼間の点滅が識別できないなどの問題がありました。
また、コンパクトに折りたためることを重視するあまり、段差を乗り越えるなどの走行安定性に欠ける車両も1車種ありました。深刻な例としては、ブレーキの制動力不足が1車種で見つかっています
現車確認試験後に保安基準不適合が確定すると、その情報は「不適合車両一覧」という形で掲載されます。2024年3月1日現在で電動キックボード、ペダル付車両など11車種が、国土交通省のウェブサイトに掲載され、事業者や車種名、各社の対応が明らかにされています。
「保安基準不適合の車種は12車種あったのですが、そのうちの1車種は、市場に出回っている車両も含めて、すべて保安基準に適合するように措置されたので、この一覧からは削除しています」(技術・政策安全課)
国土交通省の市場サーベイランスは、基準適合が目的なので、販売元が「性能等確認制度」を利用して適合品として販売するように是正したケースも5車種でありました。保安基準の適合が確認された車種は、その証であるシールを車体に貼ることで外見的にも見分けることができるようになります。
「特にインターネット経由で購入し、公道で走行する場合は、国交省ウェブサイトや性能等確認済みであるかに注意して、保安基準にあった車両を選んでいただくようお願いします」(前同)
国交省はいまだ確認が終わっていない27車種(2024年2月末日現在)についても、年度内の確認済を目指しています。
【了】
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
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