「日本と韓国、助けて!」アメリカ海軍長官が直談判しに来たワケ 大ピンチの「造船」 強すぎる中国
日本に来る前に韓国へ
デル・トロ長官は、「海事産業は、我が国の経済および国家安全保障にとって極めて重要な戦略的産業」と位置付けており、2023年11月には造船業の課題に対処するため政府造船評議会(GSC)を立ち上げています。
加えて「日本や韓国を含む海外の最も親密な同盟国と提携する機運が高まっている。世界でトップクラスの造船会社を誘致して米国内に子会社を設立させ、民間造船所に投資することで、造船業の能力を近代化と拡大を図り、より健全で競争力のある雇用を創出しなければならない」としています。
最初に訪問した韓国でデル・トロ長官は、ハンファオーシャン(旧大宇造船海洋)を傘下に持つハンファグループの金東官(キム・ドングァン)副会長や、HD現代重工業などを傘下に持つHD現代の鄭基宣(チョン・キスン)副会長と個別に会談しました。その後、現代重工の蔚山造船所やハンファオーシャンの巨済事業所の視察も行っています。
両社は韓国海軍向けの世宗大王(セジョンデワン)級駆逐艦や島山安昌浩(トサンアンチャンホ)級潜水艦の建造経験があるほか、ハンファは大宇時代にイギリス海軍のタイド型給油艦を、現代重工はニュージーランド海軍の補給艦「アオテアロア」を建造するなど海外向け艦艇でも実績を持っています。
なお、商船分野についても、需要が高まっているLNG(液化天然ガス)船や海上輸送で必須のメガコンテナ船の受注を安定して確保しているうえ、新船型の開発も積極的に行っています。
視察を終えたデル・トロ長官は「ハンファと現代は業界のグローバル・スタンダードを確立している」と高く評価。アメリカ進出について強い関心を得られたとして、「両社の高い技術とノウハウ、そして最先端のベスト・プラクティスがアメリカの地で実現することを考えると、これほど楽しみなことはない」と述べています。
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