橋崩落でも物流は「なんとかなる」? 日本とも関係深い全米有数の貨物港「封鎖」 影響は巡り巡ってやってくる!?

米ボルチモア港に架かる橋が、貨物船の衝突により崩落しました。出入口をふさがれた港は「首都ワシントンの海の玄関」と呼ばれ、東海岸を代表する貨物港でもありますが、日本への影響はあるのでしょうか。

封鎖された港は「乗用車取り扱い全米1位」

 2024年3月26日、アメリカ東海岸(大西洋側)のボルチモア港に架かるフランシス・スコット・キー橋(キー・ブリッジ。全長約2.6km)の橋脚に、全長約300m、20フィート・コンテナ(TEU)約1万個を積載可能な大型コンテナ船「ダリ」が激突。橋中央部が崩れ落ち、港の出入り口を完全に塞ぎ、事故に巻き込まれた数人が行方不明のままのようです。

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橋脚に激突して崩れ落ちた橋の下敷きになった大型コンテナ船(画像:米NTSB)。

 アメリカを代表する港の突然の“閉鎖”に、世界のメディアは一斉に「世界の物流にダメージか」と報じており、貿易立国日本への悪影響も心配され始めています。

 ボルチモア港は、「首都ワシントンの海の玄関」と呼ばれ、2023年の貨物取扱量(重量ベース)は、約3700万tで全米第17位です。

 しかし、乗用車・小型トラック(ピックアップ・トラック)や、コンバインなど農業用機械、建設用重機の取扱量はなんと全米1位で、2023年には約85万台の乗用車・小型トラックを扱っています。

 石炭積み出し港としても有名で、全米第2位を誇ります。後背地のアパラチア山脈にある大炭田地帯の“輸出港”として、インドや中国、日本、韓国などに出荷しています。

 このため同港は日本との関係も深く、マツダやスバルが完成車を満載にした自動車運搬船を寄港させており、また、火力発電所で使う石炭が日本に送られています。

【地図】「首都ワシントンの海の玄関」ボルチモア港の位置を地図で見る

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