「そんなバカな!?」第二次世界大戦の“奇抜な爆撃作戦”3選 零戦も真価を発揮!

戦場では、時に相手に「バカな!?」と思わせる作戦が展開されます。それは、航空機が誕生し、より三次元的な戦いが展開されるようになった20世紀以降も変わりませんでした。

「まさかダム攻撃専用の爆弾を投入するとは」イギリス空軍の「チャスタイズ作戦」

 1943年5月17日に実行された「チャスタイズ作戦」は、ドイツ工業地帯のダムの破壊を目的としたいわゆるインフラ破壊の作戦でした。

 当時、厚いコンクリートで覆われたダムを破壊するのは魚雷が一番有効といわれていましたが、ドイツの工業地帯にあるダムは、魚雷防御網によって守られていたために、有効な攻撃を与えることは困難でした。また通常の爆弾を使った場合もダムのコンクリートにダメージを与えるのはかなり難しいものでした。

 そこで考え出されたのが「反跳爆弾」です。爆撃機投下タイプの爆雷が、水面を水切りの要領で跳ねることでダム壁面近くの水面に到達し、そこで沈んで爆発するというものでした。この爆弾はもともと艦艇攻撃用に考え出されたものでしたが、対ダム攻撃としても、魚雷防御網を飛び越えて攻撃できるため有効と判断されました。

 作戦にはイギリス空軍第617飛行中隊所属の19機の特別改造されたアブロ・ランカスター爆撃機を使用。大胆にも当時は敵であるドイツ軍の勢力圏だったオランダ上空を横断してルール地方に到達し、計3波にわけて、メーネ・ダム、エーデル・ダム、エンペネ・ダム、ゾルペ・ダムへの攻撃を実行します。

 19機中8機が未帰還という損害を受けつつも、メーネ・ダム、エーデル・ダムの破壊に成功します。まさか新型爆弾で攻撃されるとは思っていなかったドイツ軍は、その威力を目の当たりにし、森の中で発見した不発弾を元にコピーを試みますが、結局ドイツの敗戦までに量産されることはありませんでした。

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攻撃で破壊されたメーネ・ダム(画像:イギリス空軍)。

 なお、作戦を行ったイギリス空軍の第617飛行中隊はその後、ドイツ潜水艦基地の堅牢な構築物を破壊する作戦に重さ5トンの大型爆弾「トールボーイ」を搭載し参加したほか、戦艦「ティルピッツ」の攻撃に貢献するなど数々の戦役を残します。戦後もイギリス国内では「ダムバスターズ」の愛称で知られることになり、2024年現在でも隊は存続、F-35Bを愛機としています。

【了】

【本当に水切りの石みたい!?】これが、水面を跳ねる「ダム攻撃専用ボム」(写真)

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