翼の端がなぜ曲がってる? 旅客機の重要な工夫 原型を作った数々の“異形機”開発者とは

現代の旅客機の多くは、主翼の先が曲がっており、先端部分だけ空に向かって“立った”ような形の機体がみられます。これは「ウィングレット」とよばれ、重要な役割があります。

「ウィングレット」の原型を作ったドイツの航空技師

 第二次世界大戦前や戦時中、ナチスドイツ政権下で左右非対称の形状の偵察機であるBV141や、コックピットを中央胴体終端部に配した3胴式の高速爆撃機P.170、 左右非対称に加えてレシプロ・ジェットの混合動力攻撃機であるP.194など、異形の機体を開発したフォークト博士ですが、ドイツ敗戦後はアメリカに移住しています。

 フォークト博士はアメリカ移住直後の1949年に、翼端を上に跳ね上げることで空気抵抗を低減し、燃費を改善して航続距離をのばす特許を出願していました。

 これが後に、ウィングレットと呼ばれる翼端板の原型になります。その後、1959年にボーイングへ招かれ技術顧問として航空機開発に関わるようになり、垂直離着陸機(VTOL)と水中翼船といった野心的な航空機の計画にも関わりますが、ボーイング747の設計の出荷後評価にも関わっています。

 フォークト博士自身は1979年1月に亡くなっているので、現在も続く旅客機でのウィングレットの流行については見ることがありませんでしたが、航続距離が延び便数が増えたことや、燃料費そのものの高騰もあり、ウィングレットは大型旅客機のみならず中・小型の旅客機も装備するものとなりました。

 なお、エアバス機に関しては翼端にある装備を「シャークレット」と呼んでいます。これは役割こそ同じですが、2011年に同社が独自の設計思想で独自開発した装備であるとしており、名前が違っています。

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手前の機体がエアバス機で「シャークレット」を装備している(乗りものニュース編集部撮影)

 ちなみに、フォークト博士は1924年から1933年まで川崎航空機(現:川崎重工業航空宇宙システムカンパニー)にドイツのハインケルから派遣されており、弟子として、三式戦闘機「飛燕」や、戦後の国産旅客機「YS-11」の開発で有名な土井武夫技師がいます。

【了】

【なんじゃこりゃ!】コックピットの位置がおかしい“変態機”BV141(写真)

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