レアな「有料の急行」 元“通勤電車”で中身は“特急”!? 埼玉の至宝「秩父路」に乗ってみた

埼玉県の秩父鉄道には今や珍しい有料の急行列車が走っています。1969年から運行されており、今年で運行開始55周年。専用車両も使われる急行の今を見てきました。

1日2往復のみ

 かつて日本全国を走っていた有料の「急行」列車。その大半が廃止され久しいですが、現在も埼玉県内で運行される有料急行があります。

 

 それは秩父鉄道の羽生~三峰口間を走る急行「秩父路」です。同鉄道は全線で71.7kmと、地方私鉄としてはかなりの距離を持ち、「秩父路」も全線を走ります。

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秩父鉄道の有料急行「秩父路」に使われる専用車両6000系電車(安藤昌季撮影)。

「秩父路」は、平日に影森~熊谷間を1日2往復、土休日に羽生~三峰口(上りは影森~羽生)間を1日2往復運行します。全線を通しで走る「秩父路3号」の場合、所要は1時間40分。停車時間を含む平均速度である表定速度は43km/hと、高速ではありませんがクロスシートの専用車両6000系電車を投入し、平日には普通列車の追い抜きも行います。

 その歴史は1969(昭和44)年に遡ります。運行区間は熊谷~三峰口間で、300系電車にて運行されました。300系は座席間隔1500mmと国鉄急行形よりも広いクロスシートを備え、トイレも備えていました。「秩父路」運行開始後は専用車両として、1992(平成4)年まで使われています。

 2代目の専用車両は、元・国鉄急行形である165系電車を改造した3000系電車です。前面非貫通化、トイレ撤去、デッキの仕切りドアの自動化を行い、1992年から2006(平成18)年まで使われました。3000系は3編成が導入されたため、急行は増発も可能となり、羽生駅への乗り入れも実現しました。

 2006年に3代目専用車両として登場したのが現在の6000系です。1979(昭和54)年に製造された西武鉄道新101系電車を改造しています。もともとは3扉のロングシート車でしたが、中央扉を埋めて2扉としたうえで、西武鉄道10000系電車「ニューレッドアロー」に装備されていたリクライニングシートを取り付けました。

「埋められたドア」はどうなっている? 急行「秩父路」のかなり豪華なシート(写真)

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