「急行」「快速」速いのはどっち? 減っている“混在路線” それでも快速は速さの象徴!?
「急行」と「快速」―どちらも普通や各停よりも停車駅の少ない列車ですが、どちらが早く目的地に着く列車でしょうか。
大体「急行」の方が速いが鉄道会社によって違う
「急行」と「快速」、どちらも普通や各駅停車よりも停車駅の少ない種別として多くの鉄道会社に存在します。JRでは「急行」は特別料金が必要な列車ですが、私鉄の多くでは無料の列車種別のひとつです。では、この双方が存在する路線では、どちらの方が“上位”で速いのでしょうか。
どの列車が一番停車駅が少ない種別なのかは、その鉄道会社独自のルールで決められています。私鉄において「急行」と「快速」の双方が存在する路線では、「急行」のほうが停車駅が少ない上位の列車であるケースが多いです。混在する路線としては、京王線、相鉄線、西武池袋線がありますが、いずれも急行の方が上位種別となっています。
これが逆転し、「快速」の方が「急行」よりもずっと速い種別で有名だったのが、東武鉄道です。伊勢崎線などの東武本線系統では、「快速」は有料の「特急」に次ぐ上位の列車でした。東上線においても、無料列車で最上位の「快速急行」と「急行」の中間が「快速」でした。ただし、これら東武の「快速」はすでに廃止されています。
これは、かつて東武の「急行」が有料列車だったころの名残。2006年に東武本線と東京メトロ半蔵門線、東急田園都市線との直通列車を中心とするダイヤに変更した際、「急行」は「特急」に一本化され、半蔵門線に直通していた無料の「通勤準急」に、東急の列車種類に合わせる形で「急行」の種別名を適用したのでした。しかし、「快速」はそのままだったため、無料列車の上位種別として残り、「通勤準急」が名を変えた「急行」より速い、ということになったのです。
近年は列車種別の統合が進み、「急行」と「快速」が混在する路線は以前より少なくなっています。一方、「快速急行」「快速特急」のように、急行や特急よりも速い存在として“快速●●”が存在する路線は、意外と多くあります。名鉄は「快速」という種別はないものの、「快速急行」「快速特急」の両方が存在します。
【了】
記事中『東武伊勢崎線の車両(画像:写真AC)。』というキャプションで掲載されている車両は、
東武伊勢崎線ではなく東武東上本線の車両です。