働くクルマ「作業中エンジンつけっぱなし」問題に終止符? EV化いよいよ加速か 三菱ふそう&架装メーカーも準備OK!
装置のモジュール化で既存品の流用も可能に
しかも、ePTOには既存のPTO装置の多くをそのまま流用できるというメリットもあります。eキャンターでは開発中に各架装メーカーと話し合いを行っており、ePTOは「既存のディーゼルトラックと同様の仕組み」というコンセプトを制定。これにより、装置をモジュール化しています。
加えて、架装品に干渉せず動力の接続が容易な運転席下部に装置を設置することで、従来のディーゼル車向け装置の多くを転用できるようにしています。
ゴミ収集車については、「極東開発工業」「新明和工業」「モリタエコノス」の国内大手3社のものが対応しているといいます。キャリアカーの方も、展示車両は「古河ユニック」製の既製品が搭載されていました。
なお、展示されたゴミ収集車、キャリアカー以外の架装品として、冷凍・冷蔵バンやダンプトラックなど複数種類に対応できるそうです。
eキャンターは小型トラックに分類されるため、都市部などにおける短・中距離での使用を想定しているように思えます。そのようなシーンでは電気トラックの利点である静粛性は、ドライバーだけでなく地域住民などにも大きなメリットになるといえるでしょう。
価格面では、通常のエンジン搭載モデルよりも高額な電気トラックですが、日ごろ話題にのぼるカーボンフリーやゼロエミッションといった環境問題へのメリット以外にも、ePTOのような実益あるものが注目されれば、今後は導入数も増え、それがまた普及の一助になるのではないでしょうか。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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