「おお、スカ色だ!」鉄道ファンはなぜグッとくるのか? 各地で見られた“青い電車”
新潟で「スカ色」の車体色を再現したラッピング電車が誕生し、注目を集めています。鉄道ファンの人気と敬意を集める「スカ色」とは、一体なんなのでしょうか。70年以上におよぶ歴史を振り返ります。
西日本にも伝播した「スカ色」
スカ色は横須賀線のみならず、いろいろな路線でも使用されました。
70系は中央本線(中央東線)と阪和線などにも新製配置されましたが、前者は当初の茶色からスカ色に、後者は新製時の「阪和色」(緑1号+クリーム3号)から、スカ色に塗り替えられたため、最終的にはスカ色をまとっていました。
その後、横須賀線や中央本線から転出した70系は、両毛線・長野原線(現:吾妻線)などの高崎地区、信越本線・篠ノ井線などの長野地区、さらには中央本線(中央西線)、広島地区の福塩線などで運用されました。
このほか、飯田線・身延線などでも、昭和40年代から戦前型を主とした旧型国電にスカ色を塗装。中央東線では1966(昭和41)年投入の115系、房総地区でも1968(昭和43)年に配置された113系がスカ色を採用していました。
111・113系と115系は性能が異なることもあり、同じスカ色でも正面の塗り分けで区別がつきました。青が斜めなのが111・113系、四角いのが115系でした。
しかし現在では、スカ色で走る電車は横須賀線のみとなり、スカ色は名実ともに「横須賀色」になった、と言えるかもしれません。
なおえちごトキめき鉄道の「田島塗り」の第2弾でスカ色が選ばれた理由について、前出の田島社長は、「横須賀線色は、信越本線でも使われていた色」と語っています。今はなきスカ色のラッピング電車が、えちごトキめき鉄道や地域の活性化を促すことを期待しています。
【了】
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれの自動車・鉄道系イラストレーター/ライター。雑誌、WEB媒体で連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。クルマは商用車や実用車、鉄道ではナローゲージや貨物、通勤電車、路面電車、地方私鉄などを好む。
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