ロシア軍「亀戦車」は何がいいの…? 防御モリモリ不格好だけど“新型” 21世紀の突撃砲に?
対ドローン防御は標準装備に
「タートルタンク」はクラスノホリフカ攻撃で、KMT-6地雷プラウを装備し地雷原を啓開しながら突破作戦の戦闘に立っていたようです。地雷に触れて爆炎に包まれる映像もあります。「タートルタンク」は1両だけではなく複数あるようで、FPVドローン対策用の電子戦用装置を甲羅の上に載せているものも確認されています。その姿は、陣地突破戦の先鋒に立ち反撃を引き受ける「被害担当戦車」のようです。
砲塔が旋回できなくなった故障戦車を無理やり戦線復帰させた窮余の策だとか、この甲羅の中に歩兵を添乗させて歩兵突撃を支援するのではないかとの意見も見られますが、歩兵の乗降はかなりやりにくそうです。
FPVドローンの脅威は、ロシア・ウクライナ戦争前まではほとんど注目されていませんでした。最近になってドローンによる損害が増え始め、日傘や鳥かごを現場改造で急遽、戦車や装甲車に追加しているのです。しかし現在では、対ドローン防御はすっかり標準装備となり規格化されて、工場で生産されています。「タートルタンク」は複数台確認されていますが、規格化されて量産しているかは分かりません。
ロシア・ウクライナ戦争では、戦車の役割は敵の戦車と戦う対機甲戦闘ではなく、歩兵の塹壕突破戦を支援することになっており、砲塔が旋回できず射界が狭いというのは必ずしもデメリットではなく、FPVドローンに対する防御力を高めるメリットの方が大きいと考えられたようです。第2次大戦でドイツ軍が投入した突撃砲にも砲塔がありませんでしたが、歩兵支援用として重宝されました。
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