さよなら空母「ロナルド・レーガン」 日本人が知っておくべき東日本大震災「トモダチ作戦」その中枢に【後編】

東日本大震災の4年後に横須賀へ

 なお、当初は救援物資のラベルが英語であったため、被災者に行き渡らないという問題も発生しましたが、日本語の説明書を付けることで解決しています。

 さらに日本語で作製した質問状をもって被災地へと向かい、必要な支援や状況について筆談で確認。日本語がわかる軍人と海自連絡官の翻訳により、ニーズを把握し物資を選定して被災地へ届けるといったことも行いました。

 また、津波によって仙台空港や航空自衛隊松島基地が使用できなくなっているなか、「ロナルド・レーガン」は陸上での救助活動と物資輸送に従事する自衛隊などのヘリコプターに補給を行う洋上プラットフォームとしても機能しています。

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東日本大震災の発災直後、三陸沖に展開した空母「ロナルド・レーガン」(画像:アメリカ海軍)。

 広大な飛行甲板を活用し、非常食約3万食を米軍ヘリコプターで海自艦船へと空輸し、そこから自衛隊ヘリコプターが宮城県内の避難所へ届けるといったリレー輸送も実施しました。加えて「ロナルド・レーガン」の乗員が個人的に衣類や靴、毛布、食品、飲料水などの寄付を行い、被災地に送る取り組みも行われました。

 こうして発災直後から3週間にわたって活動し続けた同艦は4月4日、護衛艦「ひゅうが」に見送られて三陸沖を離脱。9月にサンディエゴへと帰還しています。この後、2012年1月から約1年にわたってピュージェット・サウンド海軍造船所で修繕を実施。2014年のRIMPAC(環太平洋合同軍事演習)で久々に長距離行動を行っています。

 そして2015年10月1日、姉妹艦「ジョージ・ワシントン」に代わる前方配備空母として横須賀港へ入港。10月12日には一般公開が行われました。

【まさしく洋上の航空基地】これが東日本大震災で大活躍する「ロナルド・レーガン」です(写真)

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