スウェーデン大決心!「戦闘機数十機ぶんの価値」希少な高性能機 ウクライナへ複数プレゼント
見た目地味だけど現代戦では必須の装備。
F-16とセットで使えば相乗効果も
スウェーデン政府は2024年5月29日、ウクライナに対して総額133億クローナ(約1960億円)にものぼる軍事支援を新たに行うと発表しました。
なかでも注目すべきが、早期警戒管制機の複数供与です。これまでウクライナ軍にはこの種の航空機はなく、要撃を含む航空管制は地上に設置されたレーダーのみで行われていました。
しかし、スウェーデンは、ウクライナの長距離防空能力を強化することを目的に、早期警戒管制機を供与することを決めたとのこと。なお、この支援パッケージには、要員訓練や技術支援、運用サポートなども含まれるそうで、これによりウクライナの領空監視と指揮統制能力は大幅に向上するほか、今後ウクライナがF-16の運用を始めた場合、その能力を増強する役割も果たすとしています。
供与されるのは「ASC890」です。同機はスウェーデンの航空機メーカー、サーブが生産していた中型のプロペラ旅客機サーブ340をベースに所要の改良を施したもので、胴体上部に板状のレーダーアンテナを搭載しているのが特徴です。
供与数は2機。これらは中古機で、現在スウェーデン空軍で運用されているのを供与に回すそうです。
スウェーデン空軍は、ASC890の後継機として2022年6月に、カナダ・ボンバルディア製の大型ビジネスジェット「グローバル6000」ベースの新たな早期警戒管制機「グローバルアイ」を発注済みです。
スウェーデン政府はASC890を2機すべてウクライナに供与してしまうため、その補完分として新たに「グローバルアイ」を1機追加調達するとともに、2年前に発注済みの2機については引き渡しまでのスケジュール前倒しを求めていくそうです。
ほかにもスウェーデン政府は、ウクライナに対して高性能な中射程空対空ミサイル「アムラーム」や155mm砲弾などを供与するほか、予備保管していたpbv302装甲兵員輸送車もストックしている全数を引き渡すとしています。
【了】
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