高速道路の隣に新・高速道路が出現! 珍しい「ルート付け替え」一体なぜ? 新線は将来“なかったこと”に!?
高速道路では珍しい、一部ルートの「付け替え」工事が行われているところがあります。すでに既存線の真隣に新しい道路が姿を現していますが、実はこの付け替え線、将来的に“なかったこと”になりそうです。
既存線の真横の丘を掘って「付け替え線」まもなく完成
高速道路では珍しい、一部ルートの「付け替え」工事が行われているところがあります。そこでは、既存線の真隣に、新しい道路が姿を現しており、工事は佳境を迎えています。
場所は千葉県、東関東道の成田IC-大栄JCT間です。2024年5月末に下り線を走っていると、真横に4車線の新しい道路ができており、すでに方面案内標識なども設置済み。今にも走れそうな雰囲気すらあります。
東関東道のこの区間は掘割構造になっていますが、付け替え線は北側の丘を切り開いて掘割を広げる形で作られており、その工事の規模がうかがえます。新しい道路は800mほどで、この区間のみ北側の新線に付け替えられる見込みです。
付け替えの理由は、この区間に隣接する成田空港のB滑走路を東関東道より北へ1000m延長し、3500mの長さを確保するため。年間発着数の拡大を目指し、空港の面積を今の2倍近くまで拡張する機能強化の一環で行われる大工事のひとつです。
滑走路の延伸にあたり東関東道と交差することから、この区間は新ルートへの付け替え後、既存ルートをトンネル(カルバート)化する工事が始まります。滑走路はトンネルの上を通るようになります。
トンネル工事の後は、付け替え線から既存線へ再度の切り替えが行われる予定です。成田国際空港によると、その後、付け替え線は完全に埋められるのだとか。
付け替え線への切り替え時期は関係者と協議中としたものの、「2024年上期」を予定しているといいます。既存線のトンネル化については具体的に見通せていないそうですが、空港における一連の機能強化工事の完成時期は、2029年3月末となっています。
ちなみに、東関東道以外にも、滑走路の延伸で廃止となる市道の補償道路がいくつか設けられます。特に、圏央道の建設中区間に並行する形で新設されるC滑走路の周辺は、トンネルや掘割を用いた立体的な県道や国道の補償道路が造られる見込みです。
【了】
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