じつに73年ぶりの新造船「1年間は地獄見るつもり」 日本の新たな「捕鯨」船出 クジラ肉は身近になるのか?

73年ぶりの新造船による新時代の日本の「捕鯨」が始まりました。国際機関からの脱退と商業捕鯨の再開に踏み切った日本。クジラの肉が一般にどう広がっていくのでしょうか。新造船とともに、しばらくは“耐える”日々が続くかもしれません。

ダブつく鯨肉 荒波にある捕鯨の現状

 捕獲対象は十分な資源量が確認されたミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラの3鯨種に限定されており、漁獲可能量(TAC)もIWCの採択に基づく方式で算出された捕獲可能量以下に設定されています。共同船舶はこうした政府の方針に従って、2023年はニタリクジラを187頭、イワシクジラを24頭、捕獲しました。2024年6月には水産庁が新たにナガスクジラを捕獲対象に加える案を了承しており、「関鯨丸」はこうした捕鯨種の拡大にも対応できるようになっています。

 しかし農林水産省によると鯨肉の消費量はピーク時の1962年度に約23万トンを記録してから減少を続け、2022年度は2000トン程度。牛、豚、鶏肉の消費量が400万トン以上であることを考えれば、一般に馴染んでいるとは言い難いのが現状です。

 同省は商業捕鯨の再開以降、沖合海域実証事業(2023年度は3.5億円)で鯨肉の市場開拓などの取り組みを支援。さらに共同船舶に対して「母船式捕鯨業特有の資産(冷凍鯨肉)の流動性の低さ等を踏まえ、調査捕鯨から商業捕鯨への円滑な移行を進めるための運転資金」として、「鯨類の科学調査に協力する船舶の運航や生産物の販売等に必要な経費」について、基金事業による助成金10億円(2023年度)を貸付方式で交付しています。

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大漁旗がはためいていた(深水千翔撮影)。

 さらに水産庁が行った「鯨類の持続的な利用の確保の在り方に関する検討会」の取りまとめでは、「鯨肉在庫は増加傾向にあり、依然として(共同船舶の)キャッシュフローは厳しい状況にある」と指摘。「大手量販店の鯨肉の取扱いの敬遠による流通ルートの制約」が課題の一つとなっていることや、収支面の不安要素として「関鯨丸」の減価償却費やアイスランド鯨肉の保管費用などがあげられています。

【スゴイ大きさ!】これが船内の「クジラを解体する場所」です(写真)

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