鉄道車両の「ミ」はミリタリーのミ!? 国鉄の現存激レア「おいらん車」意外すぎる過去の“形式名”とは

えちごトキめき鉄道に譲渡された元JR西日本の建築限界測定車「オヤ31 31」。2024年で製造して87年を迎えますが、誕生時から測定車ではありませんでした。現在に至るまでの車歴は、まさに波乱万丈といえるものでした。

「ミ」リタリー客車として転用、転用、転用!

 さらに1948(昭和23)年になって、連合軍専用客車のまま「酒保車(しゅほしゃ・PX Car)/販売車(Commissary Car)」のオミ35形11号(オミ35 11)に改造。連合軍での番号は2734、名称は「PINEWOOD」となりました。

 酒保車とは、海外から日本に来ていた連合国の幹部や兵員用に、本国から送られてくる食料や物品を軍が提供するため用意した車両で、連合軍の基地などで食品などの販売を行っていました。のちに「販売車(Commissary Car)」とも呼ばれるようになり、衣料品・雑貨なども取り扱いました。4桁の軍番号は2700番台です。

 酒保車・販売車の車内には、売店のカウンターや販売棚、販売物品の保管スペース、冷蔵室、従業員控室などが設けられ、側面には売店用の出入り口が新設されました。オミ35 11では、車内に販売用の長い棚がレール方向に置かれていました。

 酒保車の国鉄での分類は「軍務車」で、オミの「ミ」はミリタリーのミを意味していました。酒保車に限らず、事務車、販売車、クラブ車、ラジオ車、衛生車など、それまでの国鉄では存在しなかった用途で、旅客を扱わない車両には、すべて「ミ」が当てられていました。

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JR西日本から譲渡されたオヤ31 31(画像:JR西日本)。

 なお「酒保」とは、旧日本軍の駐屯地や施設・艦内で、飲食物や日用品を販売していた売店を指しており、現在でも時折同じ意味で使用されることがあります。

 その後2734号は、1951(昭和26)年に「雑務車(Miscellaneous Car)」の中でも兵員の衛生教育に使用する「安全車(Safety Car)」806に転用されたのち、1952(昭和27)年には連合軍専用客車の「部隊料理車(Troop Kitchen Car)」へと用途を変更。調理室を備えてオシ33形104号(オシ33 104)となりました。

 部隊料理車とは、兵員用の食事を作るための客車で、兵員を運ぶ列車に連結されていました。割り当て番号は3300番台で、オシ33 104には軍番号3315が与えられましたが、1952(昭和27)年から固有の名称は付かなくなりました。

【イラストで復元】トキ鉄のおいらん車「ミリタリー」時代(画像)

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