「バイクは“左車線だけ”を走れ」ナゾの県独自ルールついに完全撤廃へ “変えるのは絶対無理”を変えた!

完全撤廃は2024年9月末日。それまでに順次規制を解除

 沖縄県警は、確保した工事費予算ですでに入札を完了。道路標識の撤去に加えて、「二輪を除く」と書かれた道路表示を削る工事の入札も終えています。道路標識の撤去によって道路規制は効力を失うので、規制の撤廃は道路標識がなくなったところから順次完了し、9月30日を最終日としています。

 沖縄県のバイクショップが集まる沖縄県オートバイ事業協同組合(宜野座朝洋理事長)とその上部団体の全国オートバイ協同組合連合会が、この問題に取り組み始めたのは約10年前のことです。大村会長が振り返ります。

「一度できた交通ルールは、何十年たってもなかなか変わりません。沖縄県警に知り合いがいるという県民は、このルールを変えるのは絶対無理だと聞いてたそうです。7年前ぐらい前だと思うのですが、ある組合員さんは『このルールがなくなったら、俺はバイク屋やめてもいい』とまで言ったんです。あの言葉はちょっと重かった」

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第二・第三走行車線に「二輪を除く」と書かれた道路(中島みなみ撮影)。

 こうした関係者の働きかけによって「バイクは第1通行帯だけを走れ」は、2021年に初めて一部区間の規制が解除されました。その後、2023年まで3年連続で規制解除が実施されています。規制区間の推移は以下の通りです。

・約82km(~2020年)
・約71km(2021年~)
・約49km(2022年~)
・約36km(2023年~)

 そして2024年に、国道58号線と国道330号線に残る約36kmが解除され、その役割を終えることになります。

【了】

【ホントだ!】「バイクは左車線しか走っちゃダメ」の標識(写真)

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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