「線路残しておいてよかった」“途切れた臨港鉄道”奇跡の再活用なるか 「皆さん鉄道使えるなら使いたい」

新潟東港の近傍に残る旧貨物駅で国土交通省が臨港鉄道を活用した輸送実証を行いました。睨むのは物流の2024年問題と排出ガス削減。ただ、それだけでなく大規模災害時の迂回ルートとしても検討しているそうです。

線路が途切れた国道部分をどうするか

 新潟県聖篭町にある「旧藤寄駅」(黒山駅分岐新潟東港専用線)で2024年6月14日、新潟東港発着のコンテナ船が運んできたコンテナを、トラックと貨車の間で積み替える作業が報道関係者に公開されました。

 これは、国土交通省の北陸地方整備局 新潟港湾・空港整備事務所が行う「臨港鉄道を利用した20フィート海上コンテナの輸送実証試験」の一環で、新潟市北区にあるJR白新線の黒山駅から新潟東港に向かって分岐する前出の専用線を活用し、新潟港東港地区国際海上コンテナターミナル(CT)までの輸送の一部をトラックから鉄道へと転換しようというものです。

 黒山駅分岐新潟東港専用線は、もともと新潟臨海鉄道が運営し、いったん廃線となったものの、県が一部を引き継いで運行している貨物専用線です。新潟港湾・空港整備事務所の古池清一所長は「廃線にしなかったことで首の皮一枚がつながった。将来的にはCTに線路をつなげていきたい」と話します。

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20フィートコンテナを積んで旧藤寄駅を出発する貨物列車(深水千翔撮影)。

 今回の実証実験は新潟港湾・空港整備事務所を主体に、新潟県、新電元工業、弘進ゴム、コメリ、北越コーポレーション、新潟国際貿易ターミナル、JR貨物が協力して実施されました。

 東京、仙台、倉賀野の各貨物ターミナルと新潟貨物ターミナルの間はJR貨物の定期ダイヤで運行し、新潟貨物ターミナルと旧藤寄駅の間は白新線経由の臨時ダイヤで運行しています。旧藤寄駅と新潟港東港CTの間は国道113号で線路が途切れているため、その区間はトラックによるドレージ(コンテナ陸送)を行う必要がありました。

 まず5月24日に最初の実証が行われており、このときは新電元工業が荷主の輸出向け巻線用部材を、横浜港の大黒埠頭から新潟港東港CTへ輸送する際に実施されています。ルートは、JR貨物の東京貨物ターミナル駅から新潟の旧藤寄駅に鉄道で輸送し、そこでトラックに積み替えて東港CT へとコンテナを運びました。

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