まるで急行「はまなす」の代わり! 東京から前泊ナシで朝イチ札幌へ 道内「夜行バス」の真価
広大な北海道。しかし夜行バスはそれほど盛んではありません。道都・札幌と、北海道3番目の人口を持つ都市・函館とのあいだでも、現状では1往復のみです。同区間を運行する「函館特急ニュースター号126便」に乗車し、道内夜行需要を見てみます。
始発から利用する人はまれ!?
では126便に始発から乗ってみましょう。「函館特急ニュースター号」の函館側の始発はJR函館駅ではなく、北海道バスの函館支店がある上湯川停留所です。路線バスもない時間なので、タクシーで上湯川に向かいましたが、コンビニもかなり遠くにあり、途中に乗客向けの休憩停車はないので、ドライブインでの買い物も不可。事前に買い物しておかないと大変なことになります。
始発の上湯川から乗る人はいるのかとバスの乗務員に聞きくと、「ごくまれですね。札幌駅行きで乗車が多いのは、函館駅、五稜郭駅、五稜郭公園、新函館北斗で、降りるのは圧倒的に札幌駅です。上湯川行きは新函館北斗駅での下車も多いですよ」とのこと。この時点で、1+1+1列のトイレ付きバスは車内に筆者(安藤昌季:乗りものライター)1人、乗務員は2人ですが、こちらでも人員確保は大変なようです。
着席します。リクライニングシートは十分に倒れ、肘掛けの角度や座席形状、枕の具合も良好です。最前列には鞄のような物体がありますが、これはフットレストで好きな場所に置けます。ほかの席は前席に付いています。ドリンクホルダーやUSBポート、フリーWI-FIもあり、プライベートカーテンを引けば、スマートフォンを触ってもあまり迷惑にならなさそう。この先で多くの人が乗ってきましたが、なかにはプライベートカーテンを使っていない人もいて、地域性かなと感じました。
一般道のため、ガクガク揺れて走ります。23時20分に最初の停留所である湯の川温泉に停車し、若い男性が1人乗車。続いて23時35分、函館駅前では14人が乗車しました。乗務員が、乗客1人ひとりの名前を確認し、座席番号や位置を丁寧に伝えます。
事前予約のないおばあさんが現金支払いで乗車しましたが、足を悪くしているようで、段差のあるバスは大変そう。乗務員が介助して座席に案内していました。
自動放送で「道央自動車道で札幌に参ります」と流れましたが、まだ停留所があります。
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