自衛隊と「姉妹になろうよ」がトレンドに? 広がる「姉妹部隊」提携とは何か ついに同盟国の枠を越え

海上自衛隊が他国の海軍部隊と「姉妹部隊」提携を結ぶ模様です。そもそも「姉妹部隊」とは、どんな状態を指すのでしょうか。この制度がいま、とても重要になってきています。

もちろん背景に安全保障上の問題

 海上自衛隊はこれまで、唯一の同盟国で、日本に部隊を展開している在日アメリカ海軍との間で姉妹部隊提携を行ってきました。海上自衛隊のミサイル護衛艦「あしがら」とアメリカ海軍のドック型揚陸艦「ジャーマンタウン」(2021年9月にアメリカへ帰還)など、「シスターシップ」、つまり「姉妹艦艇」として艦艇間で提携するものでした。

 しかし近年では、同じ厚木基地を本拠地にテストパイロットを含む航空要員の養成を行う海上自衛隊の第51航空隊と、アメリカ海軍の第51海上攻撃ヘリコプター隊などの航空部隊や、やはり厚木基地に本拠地を置く地上部隊で、ともに固定翼哨戒機の整備を任務とする海上自衛隊第4整備補給隊と、在日アメリカ海軍の厚木基地航空機中間整備分遣隊など、艦船部隊以外にも姉妹部隊提携が広がっています。

 このように海上自衛隊と在日アメリカ軍の間の姉妹部隊は広がりを見せていますが、海上自衛隊がアメリカ海軍以外の組織と姉妹部隊提携を行う姿勢を見せたのは、フィリピン海軍が初となります。

 フィリピン海軍は南シナ海のアユンギン礁(英語名はセカンドトーマス礁)の領有を巡り、中国に大きな圧力を受けています。その対応のために、海上自衛隊との交流を深めることで、パイロットや船員の養成を強化する狙いがあるといわれています。

 これまでも、防衛省・海上自衛隊は2017年度から海上自衛隊が運用していたTC90練習機をフィリピン海軍に無償譲渡し、これを哨戒機として使用する同海軍の乗員訓練などを行って、海軍の強化に協力してきました。

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フィリピン海軍がアユンギン礁を守るため、意図的に座礁させ基地化した旧式の揚陸艦「シエラ・マドレ」(画像:アメリカ海軍)。

 さらに日本政府とフィリピン政府は2024年7月8日、共同訓練をしやすくするための「円滑化協定」に署名しました。この協定により、訓練を行う際などの武器・弾薬の取り扱いや、事件・事故を起こした場合の裁判権などについてあらかじめ取り決められ、自衛隊とフィリピン軍の連携はさらに強化されます。ここ数年の日比の共同歩調ぶりを見ると、姉妹提携を含む防衛協力は、より一層進むことになると思われます。

【日本政府も手厚い支援】関係強化のためフィリピンに供与した巡視船です(写真)

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