性能はF-15並み!? 幻の「スーパーミラージュ」なぜ失敗に終わったのか フランスが生んだ最強戦闘機
フランスのダッソー社が作った戦闘機「ミラージュ4000」は、性能的にはアメリカ製のF-14やF-15にも引けを取らない優秀機でした。しかし、量産されずに試作のみで終わっています。敗因は何だったのでしょうか。
実用化されなかった「ミラージュ2000」の姉妹機
戦闘機の性能を向上させる方法のひとつに、機体を大型化させるというのがあります。機体サイズを大きくすれば、エンジンを高出力な大きなものに換装したり、もしくは搭載数を増やしたりして推力と機動力を高めることができるほか、搭載できる兵器や燃料を増やして戦闘能力を向上させることが可能です。
フランスの大手航空機メーカーであるダッソー社も、こんな掛け算的なルールに則って大型戦闘機を開発したことがありました。
1970年代、ダッソーは当時開発中だった単発戦闘機「ミラージュ2000」をベースに、機体を大型化し、さらにエンジンをもう1基追加した双発戦闘機を開発します。その戦闘機の名前は「ミラージュ4000」。ナンバーが2000から4000になった正確な理由は不明ですが、大型&エンジン双発化というこの機体のコンセプトを見事に言い表しているといえます。
ミラージュ4000は推力10tクラスのスネクマ M53ターボファン・エンジンを2基搭載しており、これにより戦闘機としての運動性能は同時期の双発戦闘機F-15「イーグル」やF-14「トムキャット」に負けないレベルを実現していました。なお、現代戦闘機の最高速度の目安ともいえるマッハ2での飛行も、初飛行からわずか6回目で達成しています。
武装面でも、ミサイルなどの兵器を搭載するハードポイントは11か所と、「ミラージュ2000」の9か所から2か所増えており、燃料も機体サイズが大きくなったことで「ミラージュ2000」の約3倍の量を搭載可能としたため、戦闘機としてより多くの武器を積んで、より長く遠くまで飛ぶことができました。
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