自衛隊でも激レア技能! LCACシミュレーターを体験 フネというより回転翼機?

令和6年能登半島地震の際に活躍した海自のLCAC。操縦はクセ強で、慣れるには約半年の訓練が必要とされますが、このたびそのシミュレーターを体験する機会がありました。感覚は、回転翼機で海面ギリギリを飛行するようなものでした。

とても船の感覚ではない

 LCACの操縦は、船とも飛行機とも異なる独特なものです。操縦桿を左右に操作すると、艇の前方にあるバウスラスターが動き、艇尾を基点に艇首の向きが変わります。一方、フットペタルを操作すると推進プロペラのラダーが動き、艇首を基点に艇尾の向きが変わります。また、左のスロットルを使って左右の推進プロペラの回転数を調整することで、前進や後進、方向転換が可能となります。

 これら3つの軸を使って艇を制御するため、普通の船では難しい横滑りやドリフト、その場で旋回するといった動きも可能です。空気の層に乗って海上や地上表面を滑る感覚は独特で、抗力がほとんどないため波や地形の変化も感じず、船の操縦感覚とはまるで異なります。どちらかといえば、回転翼機で海面ぎりぎりを超低空飛行している感じです。

 LCACは通常、輸送艦に搭載されて運用されますが、輸送艦への出入りは難易度が高く、水しぶきが視界を悪化させるなかで、手足を巧みに動かして3つの操縦軸を制御しなければならず、要員には高い操縦技術が求められます。なお、要求されるスキルは違うものの、艦上機を着艦させる技術に通じるものがあるかもしれません。

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LCAC操縦シミュレーター(FMT)の訓練管制室(月刊PANZER編集部撮影)。

 筆者(月刊PANZER編集部)は2024年7月、実際にFMTを体験しました。操縦席に座ると、外の風景には呉ではなく遠くに富士山が映し出されていましたが、これはLCACの上陸訓練でたびたび用いられている、静岡県沼津市今沢海岸の沼津海浜訓練場を想定した表示とのことでした。

 では右手で操縦桿、左手でスロットルを掴み、足をフットペタルの位置に置きます。

【実物】これがLCAC操縦シミュレーター「FMT」です

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