軍用機の大行進「エレファント・ウォーク」なぜやるの? 米軍に聞いた、圧巻の光景の“意味”

多くの軍の基地で行われている、軍用航空機が一緒に滑走路を行進する「エレファントウォーク」。どのような目的があり、準備へどう取り組んでいるのでしょうか。

準備にどれくらいかかるの?

 嘉手納基地の訓練は普段、戦闘機は数組の編隊が1機ずつ順番に滑走路に入り離陸します。それに対し、2024年4月10日に行ったエレファントウォークでは約40機が一斉に地上滑走をしました。

多数の航空機が一斉にエンジンをかけて動くには、事前の準備も時間がかかると想像しがちですが、同氏は、「作戦能力を示すものとして、事前に計画することも、即時に実施することも可能」としています。その一方、「最優先事項として確保すべきものは、任務を遂行する態勢と安全かつ効率的な遂行」と回答に記しています。当然ながら安全確保にも神経をとがらせている様子がうかがえました。

 とはいえ、エレファントウォークは目立つのも確かです。また、観察していると新たに配備された機体が先頭を進むこともあります。

これについてクリーブランド大尉の回答には、「安全確保のため各機種で定められる『特定の距離要件』を満たせば、航空機はどのような順序で配置しても構わない。操縦士、地上勤務者ともに要件を守るべき十分な訓練を受けている」とありました。

 日本を取り巻く安全保障環境は、近年緊張の度合いを増しています。回答には、エレファントウォークは「日本の防衛を支援し、インド太平洋地域の安定と安全を確保する上で重要な機能」とも記されています。起きてはならないとはいえ、有事の際には「航空戦力の即時投入」が必要なのは明らかです。加えて、平時は高い作戦能力遂行を示し武力行使を抑止させる――。その役割を果たす1つがエレファントウォークなのでしょう。

【了】

【写真】すごい機数…これが嘉手納基地の「本気のエレファントウォーク」です

Writer:

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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