史上最強の「ベンツGクラス」 特殊部隊も愛用する納得の理由 ドローンとも連携します!
メルセデス・ベンツの高級SUV「Gクラス」がベースの軍用4駆が「ユーロサトリ2024」で披露されました。さまざまな軍用車両があるなか、Gクラスが原型であることが大きなメリットなのだとか。現地でハナシを聞きました。
ベンツの高級SUVの性能には軍隊も注目
ベンツGクラスといえば、SUVの中でも高級モデルとして有名です。ベンツという高級車としてのブランド力はもちろんのこと、その知名度に負けないほどのラグジュアリー感と4輪駆動車としての優れた能力、高い衝突安全性がそのイメージを形作っているといえるでしょう。
ただ、Gクラスはもともと軍用車両として開発された経緯があります。だからこそ、優れた悪路走破性と信頼性を兼ね備えているといえますが、それらは世界中の軍隊や特殊部隊、警察などといった組織からも評価されており、このクルマをベースにした特殊車両がいくつも開発されています。そのなかで最も新しいモデルと言えるのが、ドイツの防衛企業ラインメタル社が新しく開発した空挺車両「カラカル」です。
同車が初めて展示されたのは、2022年に開催された防衛見本市「ユーロサトリ2022」でのこと。それから2年経った今回の「ユーロサトリ2024」では、展示とともに走行する様子も披露され、注目を集めました。
「カラカル」はラインメタル社とメルセデス・ベンツ社およびACS(アーマード・カー・システムズ)社が提携して開発した全輪駆動(4WD)の軍用車両です。ボディ部分はACS社による独自の設計ですが、シャシー部分はメルセデス・ベンツ社のGクラスの派生モデル W464が採用されています。
車体重量は2.9tで、路面上での最大速度は130km/h。貨物については2t以上の積載量を誇ります。
パラシュート部隊や特殊部隊で使用する空挺車両として開発されたため、軍用ヘリコプターや輸送機での空輸を前提にしているのも大きな特徴です。CH-47F「チヌーク」やCH-53K「キングスタリオン」といった大型ヘリコプターでは機外に吊り下げ輸送することができ、C-130「ハーキュリーズ」やA400M「アトラス」といった軍用輸送機では空輸だけでなく、上空からの落下傘投下にも対応しています。
ドイツ軍とオランダ軍向けの軍用車両として、2023年7月に正式な生産契約が結ばれており、生産開始と両軍への引き渡しは2025年から始まる予定です。また、ロシアによる侵攻を受けているウクライナからも、同軍の特殊部隊向けとして緊急の提供依頼を受けており、Gクラスの461モデルをベースにした急造「カラカル」が、すでに20台ほど引き渡されているそうです。
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