史上最強の「ベンツGクラス」 特殊部隊も愛用する納得の理由 ドローンとも連携します!

世界中で整備・修理できるのはメリット大!

「カラカル」は、シャシーこそGクラスをベースにしていますが、全体としてみれば完全な軍用車両だといえます。逆にいえば、なぜ、わざわざ民間のものを流用したのでしょうか。その一番の理由は前述したようなGクラスの優秀性にありますが、それ以外にもメンテナンスと運用面で大きなメリットがあるからです。

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デモンストレーション走行で急斜面を下る「カラカル」。オフロード車として走りは、Gクラス譲りの高い走破性を感じさせた(布留川 司撮影)。

 同車は3000台の生産が予定されていますが、そのベースとなったGクラスの累計生産台数は50万台を超えており、整備や修理などで必須のサプライチェーンも世界中に整備されています。

 少数生産の軍用品と比べると、それらはスケールメリットによって圧倒的に低コストであり、Gクラスの販売が続く限り長期間に渡って安定して利用することもできます。ラインメタル社も「カラカル」の運用については今後20年間のライフサイクルサポートが行えると説明しています。

 2024年7月時点で、「カラカル」を採用した国は、ドイツ、オランダ、ウクライナの3か国に留まっているものの、世界的に名の知られたメルセデス・ベンツのブランド力とGクラスの人気が後ろ盾となれば、今後も採用国が増えていく可能性は高いといえるでしょう。

【了】

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Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)

雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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