パリの博物館で日本の激レアゲーム機を展示なぜ!?「ひょっとして間違えた?」でもフランスらしいその理由
マニア的な突っ込み「もっと最適な機材」あっただろ!
じつは筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)は当時、初代PCエンジンとPCエンジンDuoの両方を所有するNECユーザーでした。そのため、PCエンジンスーパーグラフィックスのようなマイナー機が、こうして30年以上の時を経て異国の博物館に展示されていることをうれしく思いました。
しかし、PCエンジンを実際に楽しんでいたレトロゲーマーとして、この展示に若干の疑問も感じます。
それは、「PCエンジンスーパーグラフィックスと宇宙になんの関連があるのか?」というものです。PCエンジンスーパーグラフィックスは1980年代にデザインされた工業製品らしく、ゴテゴテした独特の外見となっています。しかし、そのデザインのモチーフは自動車の6気筒エンジンといわれており、宇宙開発とは直接的な関係はありません。
また、PCエンジンの派生モデルには廉価版の「PCエンジンシャトル」がありました。このモデルは宇宙船をイメージしたデザインで、筐体全体が飛行機模型のように流線型をしており、筐体背面には航空機の垂直尾翼のようなフィンまで付いています。宇宙をテーマにしたおもちゃコーナーに置くのであれば、こちらの方がよりふさわしいモデルだといえるでしょう。
このように、展示についてはマニアックな疑問点こそあるものの、いずれにしても30年前のゲーム機が文化的に認知され、欧州トップクラスの博物館に今日、展示されているのは事実です。
NECユーザーとして当時からPCエンジンスーパーグラフィックスやPCエンジンシャトルの存在を知っていた身からすると、異国の地で出会えたことはやはり「うれしい」その一言に尽きるのです。
【了】
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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