史上初の来日! イタリア空母打撃群「知られざるもう1隻の姿も」日伊のF-35連携ますます深化か
空母「カヴール」いつまで横須賀に?
空母打撃群の旗艦となる「カヴール」は、イタリアの大手造船所フィンカンティエリが建造した航空母艦で、2009年に就役しています。AV-8B「ハリアーII」やステルス戦闘機F-35B「ライトニングII」といったSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)機を搭載可能で、軍事作戦から人道支援まで幅広い任務に投入できるよう、高い指揮統制能力を備えています。
また、最先端の医療機器を備える病院船機能も持っていることから、大規模災害時には被災地へと急行し医療支援を行うことも可能です。
前出のベネデッティ大使は、「イタリアは、最新鋭機F-35Bを日本に持ち込める数少ない国のひとつであることを誇りに思っている」と話しつつ、「今日、『カヴール』はインド太平洋地域において、海洋の安全と航行の自由を確保するパートナーとの協力を通じ、平和と安定に向けた我々の継続的なコミットメントの道標として輝いている」と強調していました。
なお、「カヴール」と「アルピーノ」は、オーストラリア空軍が主催して7月から8月にかけて行われた多国間共同演習「ピッチ・ブラック」に参加。8月9日にはアメリカ海軍の原子力空母「エイブラハム・リンカーン」などと米伊共同演習を実施しています。
一方の「ライモンド・モンテクッコリ」は、ハワイ周辺海域で実施されたRIMPAC(環太平洋合同演習)や、ミサイル警戒演習「パシフィック・ドラゴン」に参加した後、イタリア空母打撃群に合流しています。
「カヴール」と「アルピーノ」は8月27日にまで横須賀基地にいる予定で、出港後は日本、ドイツ、イタリア、フランス、アメリカの5か国による多国間演習に参加するとみられます。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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